OT【作業療法】のブログ~医療・介護福祉・リハビリ~

2008年から作業療法士をしています。医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

【雑学】髪のべたつき

【雑学】髪のべたつき

 

 

●髪の毛がベタつく理由

皮脂

べたつき原因の1番の原因は、顔や頭皮から分泌される「皮脂」
頭皮や髪を洗いすぎると、必要な潤いまで洗い流され結果、頭皮が乾燥してしまうため、体が乾燥を防ぐために皮脂の分泌量が増加してしまう。過剰に出てしまった皮脂は、髪や頭皮に付着してべたつきの原因になる。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れが原因で頭皮環境が悪化することがある。頭皮環境が悪くなると、頭皮トラブル(ベタつき、かゆみ、赤み、臭い)の原因に。

具体的に、不規則な食事・睡眠不足・ストレス過多・運動不足・タバコやアルコールなどがあり、特に油物をよく食べると皮脂の量も増えると言われている。

シャンプー

シャンプーに含まれるコーティング剤が、頭皮や髪に残ってべたついてしまう場合もある。
髪を洗うときは、シャンプーのコーティング剤が残らないように。しっかりすすいでいるのにべたつき感が残るなら、シャンプーが髪や頭皮に合っていない可能性も。

頭皮は体の中でも汗腺が多く、夏場になると頭皮からも大量の汗をかきます。かいた汗をそのままにしていると、汗に含まれるミネラルが頭皮に付着して、べたつきの原因になる。

 

●べたつきを防止するには

髪ケアで頭皮のベタつき改善

①ブラッシング
髪の毛が乾いている状態で、粗めのブラシを使用して髪の毛をブラッシング。ブラッシングをすることで、髪の毛についた汚れの半分くらい落とすことができる。
②しっかりと湯洗い
濡らす作業の段階で、髪の毛をしっかりと洗う。

③シャンプーで頭皮を洗う
シャンプーは、使用する量を極力少なくする。

コンディショナーやトリートメントは髪の毛に
コンディショナーやトリートメントは、髪の毛だけにつける。この2つは髪の毛をコーティングする作用があるため、頭皮につくと乾きにくくなってしまう。

⑤すすぎはしっかり
シャワーで髪の毛をすすぎ洗いし洗い残しがないように。洗い残しなどがあると、それが頭皮のベタつきの原因に。また、
⑥タオルドライでしっかり乾かす
タオルドライを行うことで、ドライヤーの時間を短縮することができる。根元にタオルを当てて乾かす。
ドライヤーで頭を乾かす
毛先からではなく、根元からしっかりと乾かすこと。

 

生活習慣を整え、いい汗を流す

髪や頭皮のべたつき原因のひとつにの「汗」
汗をかいた時は、まずは清潔なハンカチやタオルで拭く習慣を。
またべたつきの原因は、汗の水分ではなく汗に含まれる「ミネラル」。汗に含まれるミネラルの量は、体調や生活習慣によって増減する。「いい汗」には、ミネラルがあまり含まれておらず、乾いてもべたつかない汗になる。反対に「悪い汗」にはミネラルが多く含まれているため、べたつきの原因になってしまう。
生活習慣が乱れていたり、体調を崩していたりすると、汗腺の働きが低下して、汗に含まれるミネラルも多くなってしまう。

 

 

【リハビリ】パワリハの高齢者への効果

【リハビリ】パワリハの高齢者への効果

 

 

 

パワーリハビリテーションとは

老化に対するリハビリテーション

パワーリハビリテーションは、老化や障害により低下した身体的・心理的活動性を回復させ、自立性の向上とQOLの高い生活への復帰を目指すリハビリテーションの手法。マシントレーニングを中心とした運動プログラムであり、「老化に対するリハビリテーション」といえる。

軽負荷でのマシントレーニング

パワーリハビリテーションは、筋力強化を目的としたプログラムではない。
パワーリハビリテーションは、マシントレーニングを軽負荷で行い、全身各部の使っていない筋を動かし、動作性・体力の改善、心理的活動性の改善が得られる。パワーリハビリテーションが心臓に与える影響は「入浴」より軽く、運動によるリスクはほとんどない

行動変容をもたらすリハビリテーション

身体の動きが良くなった、疲れにくくなったという動作・体力の改善は、「自己認識・自己概念」に変化をもたらし、自信もつく。自信がつくことにより、行動の変化も生まれる。 また、パワーリハビリテーションのような軽い有酸素運動の時に、神経から放出される物質には、「うつの改善」など心理的効果も発揮する。

 

チェストプレス

チェストプレスで鍛えられる筋肉

・大胸筋

・三角筋

・上腕三頭筋 

チェストプレスマシンの使い方

①高さを調整する

しっかりと腰掛けた状態で、足の裏が全て地面につくこと。膝と足首が直角になり、安定感のある座れるかどうかを必ずチェック。

②位置を調整する

左右の大胸筋を均等に動かすために、グリップを握る位置は必ず左右共に同じ位置を握る。

③バーを押し出す

胸を張って背筋を伸ばした状態で、ゆっくりとバーを前面に押し出す。まっすぐと押し出したバーは、その状態で少しキープするのがポイント。押し出した時と同じように、ゆっくりとバーを引き戻す。

バーを引き戻す時に、かけてある重量に任せて勢いよく戻すのはNG。勢い良く曲げる事になるので、関節を傷めてしまう可能性がある。

 

レッグプレス

レッグプレスで鍛えられる筋肉

・大臀筋

大臀筋はハムストリングスと連動しており、歩く、走るといった日常生活に欠かせない動作に深く関わる。

・ハムストリングス

ハムストリングとは、「大腿二頭筋」「半膜様筋」「半腱様筋」の3つの筋肉の総称。

・大腿四頭筋

大腿四頭筋とは、「外側広筋」「内側広筋」「中間広筋」「大腿直筋」の4つの筋肉の総称。

・内転筋群

内転筋群とは、「薄筋」「縫工筋」などの複数の細い筋肉で構成されている筋肉群。

 

レッグプレスの使い方

①両脚を肩幅に開いて、膝の角度が90度になるように調節

まず背中をぴったりとシートにつけて座ります。脚を肩幅に開き、つま先は逆八の字を向くようにしてフットプレートに乗せましょう。ここでの注意点は膝の角度が90度になるようにシート位置を調節すること。回数を重ねていくうちに膝の角度が崩れやすいため意識して行うことが大切です。

②膝を2秒かけ伸ばす

①の姿勢をキープしたまま膝を2秒かけ伸ばしていきます。このときに、鼻からゆっくりと息を吐きながらフットプレートを押す(シートを持ち上げる)ことで下半身に加えて腹筋も鍛えることができるためおすすめです。

③膝を2秒かけ戻す

①の姿勢をキープしたまま今度は2秒かけ膝を戻していきます。この一連の動作を1セット10回、負荷を感じる重さにセットして行うと効果が見込めます。

 

 

 

【感染症】肺炎の分類や感染の仕方

【感染症】肺炎の分類や感染の仕方

 

 

 

 

●肺炎の種類

大きく3つのタイプに分かれます。肺炎の原因となる病原微生物には、細菌(細菌性肺炎)、ウイルス(ウイルス性肺炎)、その2つの中間的な性質をもつ微生物(非定型肺炎)の3つが考えられます。

感染経路は、発症している人の咳に含まれる病原微生物が、口や鼻から入り込んで感染する「飛沫感染」、ドアノブなどに付着した病原微生物が自分の手の指を経由して口や鼻から体の中に入り込んで感染する「接触感染」があります。

 

細菌性肺炎

原因:肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌などの細菌が原因で起こる。

症状:湿った咳、黄色や緑色を帯びた痰が出る。

ウイルス性肺炎

原因:インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルスなど、さまざまなウイルスが原因で起こる。

症状:かぜ症状に続き、激しい咳、高熱、倦怠感などの症状。

非定型肺炎

原因:マイコプラズマ、クラミジアなど、細菌とウイルスの中間的な性質を持つ微生物が原因で起こる。

症状:乾いた咳が長く続く、痰は少ない。

 

初期の症状は、咳、痰、発熱など似ているところも多いが、細菌性肺炎と非定型性肺炎では、咳の状態に違いがあります。またウイルス性肺炎の場合は、急に39度以上の発熱があることが多いため、症状のわずかな違いからでも、病原微生物を推測できる。医療機関を受診した時は、自分の症状を細かく説明し、熱の出方(朝方に高熱になり日中は下がるなど)の特徴なども、分かる範囲で伝える。

 

●感染場所

自宅で日常生活を送る中で、病原微生物に感染し、肺炎を発症することが多い。しかし、高齢者になると、ちょっとしたきっかけで入院した時に、病院などの中で肺炎に感染することもある。

 

市中肺炎

病院や診療所など以外で、日常生活を送っているうちに感染した肺炎のことで、風邪やインフルエンザをこじらせた時に起こる早めに適切な治療を行えば、完治が期待できる

市中肺炎とは、自宅などを拠点として日常生活を送っている人が、その過程で病原微生物に感染し、発症した肺炎。特にインフルエンザが流行する時期は、インフルエンザウイルスが原因となる肺炎が多くみられるため、予防接種をしっかり受けておくことが必要。

 

院内肺炎

病院や施設などに入院してから、48時間以上経過した後に発症した肺炎のことで、免疫力が非常に低い人や、人工呼吸器が原因で起こる。予防や治療が比較的難しく、死亡率が高い。

原因となる病原微生物は、入院する理由は呼吸器の病気ではないこともある。例えば、心臓の病気や脳血管の病気、がんや骨折などの手術による入院でも、感染・発症する可能性がある。特に免疫力低下している高齢者に多くみられ、気づいた時にはすでに重症化していたり、呼吸機能が改善しないまま死に至ることも。

 

●感染する場所の種類

肺胞そのもので病原微生物が増殖し、炎症を起こした状態を肺炎と言う。これに対し、肺胞の周りにある「間質」という部分に炎症を起こした場合を「間質性肺炎」と呼び、一般的な肺炎と区別している。

 

肺胞性肺炎

場所:肺の末端にある「肺胞」が炎症を起こす肺炎

症状:高熱が出て、咳とともに膿ともいえる黄色や緑色(時には茶褐色)の痰がたくさん出る

間質性肺炎

場所:「肺胞」を支える組織である「間質」が炎症を起こす肺炎

症状:呼吸困難や呼吸不全が特徴で、痰を伴わない乾いた咳が続く

誤嚥性肺炎

場所:細菌が唾液や食べ物などと一緒に誤嚥され、気管支や肺に入ることで発症

症状:発熱、激しい咳、膿のような痰が特徴的な症状

 

●検査・診断

肺炎の診断は、症状、身体所見、血液検査、胸部X線写真、胸部CTなどを検査し診断する。

血液検査:体内で炎症が起こったときに上昇する白血球やCRPの値を参考。

胸部X線・CT:肺炎はスリガラス影や浸潤影と呼ばれる肺内の白い影として写る。

 

●治療

細菌が原因:抗菌薬を用いて治療。

ウイルスが原因:抗ウイルス剤を用いる。

軽症で全身状態がよければ、通院で内服薬を飲みながら治療できるが、高齢者の場合や脱水がある、食事が取れない、体内の酸素の数値が低い、意識が悪い、低血圧といった中等症・重症の肺炎が疑われる場合は入院し注射薬を使う必要。呼吸不全が強くなると、酸素の吸入や人工呼吸器の装着も必要になる場合も。

 

 

【感染症】抗原検査とPCR検査

感染症】抗原検査とPCR検査

 

 

 

●抗原検査とは

新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザなどのウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出するものを抗原検査という。 短時間で結果が出て、特別な検査機器を使わなくてもできることから、スクリーニング検査にも適している。

検査方法と種類

主に二種類の検査方法がある

①スワブを使って鼻や喉の粘膜を採取する方法

②唾液を採取する方法

があります。 医療機関だけでなく、市販されている検査キットもあるので自宅で検査することも可能。 スワブタイプはやや方法が難しく少し痛みを感じたりする人もいるようです。簡単に採取できる唾液タイプがいおすすめ。

 

●PCR検査とは

検査したいウイルスの遺伝子を専用の薬液を用いて増幅させ検出させる検査方法。
鼻や咽頭を拭って細胞を採取し、検査を行います。感染してから発症する数日前より検出可能とされています。主に体内にウイルスが検査時点で存在するかを調べるときに用いる。

感度は約70%程度と言われており、検体採取をした場所にウイルスが存在しなかった場合などは感染していた場合でも陰性となってしまう場合がある。
そのため検査機関によってはウイルスを検出できなかったケースを「陰性」とはせず「検出せず」と表現する場合もあります。

 

抗原検査とPCR検査

抗原検査と抗体検査との違い

抗原検査

ウイルスを構成しているタンパク質などの「抗原」を検出。
抗原が検出される=ウイルスに感染していることになるので、PCR検査と同じ意味合いを持つ。
ただし、無症状の方からの検出が難しい検査。

抗体検査

ウイルスに感染した際に、体内で作られる「抗体」を検出。
抗体は感染後1~2週間で検出されるので、過去に感染していたかを調べる検査。
抗体自体は2ヵ月程度で消えてしまうとも言われており、検出されたから今後感染しないという保証にはならない。

 

抗原検査とPCR検査の違い

感染症を検出する方法には通常、病原体自体を検出するものと、病原体に抵抗するために産生される抗体を検出するものの2種類がある。

抗原検査:早期スクリーニング、早期診断に適し、最短15分以内に検査結果を出すのに適している。

PCR検査:実験室環境、検査人員、器械などに対する要求が高く、検査の感度が高く、特異性がよく、一般的に4時間から1日後で結果が出る。

 

●もし感染したら・・・

新型コロナウイルス感染症はどのようにして治療するか

軽症の場合:経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行う。

重症化リスクがある場合:中和抗体薬や抗ウイルス薬の投与を行い、重症化を予防。

呼吸不全を伴う場合:酸素投与や抗ウイルス薬、ステロイド薬(炎症を抑える薬)、免疫調整薬の投与を行い、 改善しない場合には人工呼吸器等による集中治療を行う。

 

 

【感染症】今のコロナ感染症の実際

【感染症】今のコロナ感染症の実際

 

 

 

日本の新型コロナウイルス感染症と診断された数

日本では、これまでに650万(令和4年4月時点)が新型コロナウイルス感染症と診断されており、これは全人口の 約5.2%に相当

国内の発生状況などに関する最新の情報は、以下のリンクより: https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html

 

 

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や死亡する人の数

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にある。 重症化する割合や死亡する割合は以前と比べ低下しており、2021年7月から10月に診断された人の中では、

・重症化する人の割合:0.98%(50歳代以下で0.56%、60歳代以上で5.0%

・死亡する人の割合 :0.31%(50歳代以下で0.08%、60歳代以上で2.5%

 

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化しやすいのは人は?

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、

高齢者

・基礎疾患のある方

・一部の妊娠後期の方

重症化のリスクとなる基礎疾患等には、

・慢性閉塞性肺疾患(COPD)

・慢性腎臓病

・糖尿病

・高血圧

・心血管疾

・肥満

・喫煙

があります。

 

新型コロナウイルスに感染した人が、他の人に感染させてしまう可能性がある期間はいつまで

新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。

※また、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられている。このため、新型コロナウイルス感染症と診断された人は、症状がなくとも、不要・不急の外出を控えるなど感染 防止に努める必要。

 

コロナ感染症と診断された人のうち、どれくらいの人が他の人に感染させているか

新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下

そのため、1人の感染者が何人もの人に感染させてしまうことがなければ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えられる。

※マスクの着用により、感染者と接する人のウイルス吸入量が減少する

 布マスクを感染者が着用した場合に60-80%減少感染者と接する人が着用した場合に20-40%減少

 

新型コロナウイルス感染症はどのようにして治療するか

軽症の場合:経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行う。

重症化リスクがある場合:中和抗体薬や抗ウイルス薬の投与を行い、重症化を予防。

呼吸不全を伴う場合:酸素投与や抗ウイルス薬、ステロイド薬(炎症を抑える薬)、免疫調整薬の投与を行い、 改善しない場合には人工呼吸器等による集中治療を行う。

 

 

【介護】急性腰痛

【介護】急性腰痛

 

 

 

●ぎっくり腰(急性腰痛)とは

急性腰痛症は、腰痛が発症してから4週間以内のものを指します。一般に“ぎっくり腰”と呼ばれている状態はこれに含まれ、重いものを持ち上げたときや腰をひねったりしたときなどに突然起こります。強い痛みを生じることが多く、欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」と呼ばれることもあります。痛みの原因は、主に腰の関節やその周りの筋肉や靱帯にあると考えられていますが、原因がはっきりとしないこともあります。

急性腰痛症の中には、骨折や感染症、腫瘍などほかの病気が原因となっていることもあり、この場合はそれぞれに対応した治療が必要となります。

 

●原因

急性腰痛症の痛みの原因はさまざまで、原因がはっきりしない場合が多いようです。

原因の1つとして・・・

・身体の機能低下(姿勢、習慣、過緊張、筋力、柔軟性低下)

・ストレスや環境、季節要因に

・老化

・無理な力がかかることなどによる腰の関節のズレ、椎間板の損傷、腰の筋肉や腱、靱帯の損傷 など

が原因として多いと考えられています。

そのほか、特別な病気として椎間板ヘルニア、脊椎分離症、すべり症、腰部脊柱管狭窄症などが原因となっていることもあります。また、ときに圧迫骨折やがんによる背骨の病的骨折、感染症による背骨や椎間板の化膿などが原因となって腰痛を引き起こす場合があるため、病院での診断を受けることが重要です。

 

●症状

腰に強い痛みが生じ、腰を前後に曲げることが難しくなります。症状が重い場合は痛みで動けなくなることがあり、臀部や下肢に放散するような痛みやしびれを伴う場合もあります。また、起き上がる時や咳・くしゃみをしたときなどに生じることもあります。痛みは1日以上続き、1か月以内に治まる場合を急性腰痛症と呼びます。

安静にしていると痛みは和らぎますが、過度な運動制限は筋力低下を招き腰痛を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

 

●検査・診断

診断で重要となるのは問診・身体診察と画像診断になります。

診断では、まず問診と身体検査によって、痛みの範囲、悪性度、慢性化の可能性、進行性かどうかなどを注意深く評価し、腫瘍や感染症、骨折などの重要な病気が隠れている可能性も検討します。

腰椎の状態を調べるために、画像診断も行われます。もっとも多く行われるのはX線検査で、より詳しい情報を得るために、MRI検査やCT検査が行われることもあります。

他にも、血液検査、尿検査、骨密度検査、筋電図検査、骨シンチグラフィー検査、PET検査などが行われる場合もあります。

 

●治療

急性腰痛症は安静にしていると数日から数週間で自然に治ることもありますが、痛みを軽減させるために、薬物療法、神経ブロック療法、装具療法などが行なわれます。

薬物療法

腰の痛みや炎症に対しては通常、非ステロイド系抗炎症薬が処方されます。痛みによる筋肉の緊張や精神的な緊張を和らげる目的で筋弛緩薬や抗不安薬を使用することもあります。また、心因性の腰痛が疑われる場合は、抗うつ剤などの薬剤が用いられることもあります。

神経ブロック療法

脊髄を囲む硬膜と骨の間の空間に局所麻酔薬を注射し、一部の神経を遮断(ブロック)することで痛みを軽減する方法。痛みを感じる神経のブロックと、運動神経や交感神経の遮断で筋肉が緩み血行がよくなる効果によって腰痛が緩和されることが期待できます。

装具療法

コルセットなどを用いて痛みの出ている部分を安静に保つことで、痛みの軽減や早期の回復を目指す。

急性腰痛では、安静を続けるよりも無理のない範囲で日常生活を維持したほうが早く回復するという報告もあり、どの程度運動を制限すべきかについては医師との相談が必要となります。

 

●予防

機能改善

体幹トレーニングなどで体幹の安定性を高める

ストレッチなどで股関節や大腿部の柔軟性を高める

様々な運動、動作をおこない、共同運動パターンを増やす

トレーニングで猫背、反り腰、受け腰といった脊柱のアライメントを修正する

習慣改善

一日中、同じ姿勢、同じ動作にならないように体操を取り入れる

心理的なストレスを解消する

運動習慣を作る

入浴やストレッチなど日ごろのケアを行う

 

 

【介護】下剤の基本知識と理解

【介護】下剤の基本知識と理解

 

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●下剤の知識

下剤とは

緩下剤:便を柔らかくする作用を持ち、排泄を容易させる。

刺激性下剤:腸管や腸壁を刺激し、腸の蠕動を促す。

上皮機能変容薬:小腸での腸管内への水分を分泌を増やして便を軟化させたり、大腸の運動を促進することにより、排便を促す。

 

●各下剤の特徴

塩類下剤(酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム) 

慢性便秘に対する長期的治療薬に適した下剤。

水溶性無機塩類は、腸管から吸収されにくく、浸透圧作用により腸管からの水分を吸収・保留し、腸内内容物を液状にするとともに腸の蠕動を促進する。大量の水とともに服用すると効果的で1~2時間で効き目が現れ、習慣性が少なく、長期間の使用ができる。通常の投与量では電解質異常は生じにくいですが、腎疾患や心疾患の長期投与は高マグネシウム血症の恐れがある。

 

膨張性下剤(緩下剤)

高繊維食による自然な排便促進作用を薬理的に行うような薬剤。

安全性が非常に高く、軽度の慢性便秘に対しては理想的な薬剤と言われている。しかし、飲む量が多いことや効果があまり得られない事もある。

腸管内で吸収されず、服用した水や腸管内の水分を吸収することによって便を大きくし、腸に物理的刺激を与えることにより排便を促します。 通常、12~24時間以内に効果が現れますが、2~3日連続して服用するとより効果的です。

 

糖類下剤(浸透圧性下剤)

機械的下剤の一種で、最も一般的に使用されている下剤である。浸透圧勾配を利用し、腸内で水分分泌を引き起こすことで便を軟化させ、排便回数を増加させる。ヒトの体内では吸収されない糖類が、浸透圧作用により腸内への水の移動を促進するとともに、腸内細菌によって有機酸を産生し、腸の運動を促進します。

 

大腸刺激性下剤(刺激性下剤)

散剤、錠剤ともコンパクトで服用しやすいのが特徴。

便秘の程度を問わず、効果が速やかに出現することから、最も多くの便秘患者に好まれ、よく処方される下剤です。下剤の中では最も強い習慣性を有し、薬剤耐性を生じやすく、濫用されやすい傾向にあります。 過剰投与による腸管への刺激により、便からの水分再吸収に異常が生じ、下痢を引き起こすことで、電解質異常や脱水などの副作用が生じやすくなります。

 

上皮機能変容薬(水分分泌促進薬)

小腸粘膜上皮などに作用します。 種類によって多少異なりますが、小腸での腸管内への水分を分泌を増やして便を軟化させたり、大腸の運動を促進することにより、排便を促します。 大腸痛覚過敏(腹痛・腹部不快感)を改善するものもあります。

 

胆汁トランスポーター阻害薬

胆汁酸の再吸収に係わるトランスポーターを阻害することで、大腸に流入する胆汁酸の量を増加させ、水分分泌と大腸運動促進の2つの作用で排便が促されます。

 

高分子量化合物製剤

ポリエチレングリコール及び電解質を配合した製剤であり、浸透圧効果 により、腸管内の水分量を増加させ、保持することで、便中の水分量及び 便容積の増大をもたらし、結果、用量依存的に便を滑らかに排出します。 水に溶かして服用します。

 

【介護】便秘の種類とマッサージ

【介護】便秘の種類とマッサージ

 

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●便秘の種類

①機能性便排出障害

②大腸通過遅延型

③大腸通過正常型

 

機能性便排出障害

【対応】

 ①腹圧をかける(トイレ誘導)

 ②腹部マッサージ

 ③座薬(直腸に作用)

 

大腸通過遅延型

【対応】

 ①水分を多く飲んでもらう

 ②便に水分を含ませる

 ③乳製品(ヨーグルト・牛乳)

 ④オリーブオイル

 ⑤腹部マッサージ・温罨法

 ⑥緩下剤(酸化マグネシウム・マグミット等)

 ⑦刺激性下剤

 

大腸通過正常型

 直腸までおりてきていれば、腹部マッサージやレシカルボン座薬など使用

 

●便秘に対する腹部マッサージ

腹部マッサージの目的

便秘やガス貯留などによる腹部膨満時、腹部マッサージを行うことで腸管へ刺激を与え血液循環を良好にし腸蠕動を亢進させる。

 

腹部マッサージの手順

① 腹部の緊張を和らげるため膝を立てる。※行う人は手は温める。

② 大腸の蠕動運動の方向に沿って「の」の字を描くように時計回りで手のひらで1~2cm程度沈むくらいの力加減で押さえながら10回行う。

③ 左の腰骨の出っ張りから、やや内側を手掌(親指の根元)でゆっくり10回押します。(両手を合わせてマッサージを実施)

④ 手順の②と③を交互に3回実施します。(30回を1セットとします。)

 

腹部マッサージの注意点

① 食直後の腹部マッサージは避ける。

② 入浴直後の腹部マッサージは避ける。

 

腹部マッサージの禁忌

① 腹部の急性・慢性疾患

② 腹腔内の手術や照射療法の後

③ 大動脈瘤

④ 腸閉塞の既往

⑤ 骨盤静脈血栓症の既往

⑥ てんかん

⑦ 原因不明の痛みを感じる場合

 

●便秘で必要な情報

既往歴

大腸癌やシャント術:定期的に便を出す必要があり。

イレウス(腸閉塞):下剤で予防ではなく、自然排便を促す。

服用している薬

薬の副作用によって便秘を起こしていないかを確認。

 

下剤服用から自然排便への取り組みを併用

・水分摂取量を増やす。

・自然食品や繊維食を管理栄養士と相談して提供する。

・機能訓練指導員と相談して腹部マッサージを実施。

・散歩やレクリエーションなどに参加し運動量を増やす。

 

下剤服用の期間を少しずつ伸ばす

・記録シートで排便周期を確認します(下剤投与の頻度と排便の状況)。

・下剤投与しなかった4日目の状態を現場職員全員が把握。

・①食欲不振、②気分不快、③頭痛・頭重、④吐き気、⑤腹部の膨満感や腹痛などの症状がないか確認する。

 

冷たいトイレには注意

血圧は季節によっても変動しやすく、寒い時期には血圧が高くなりやすいためトイレでの危険も増します。暖かい部屋から寒いトイレに行くと、血管が収縮し血圧上昇。さらに冷たい便器に腰を下ろすと、血圧はさらに急上昇してしまいます。トイレでの危険を防ぐため、小型ヒーターや便器カバーなどを取り入れて暖かいトイレにしておくとよい。

 

【介護】介護予防のための生活機能評価

【介護】介護予防のための生活機能評価

 

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●介護予防の重要性 

「介護予防」とは、介護保険受給にならないように予防したり、介護保険受給者の要介護度の悪化を予防すること、そして「生活機能」のうち特に活動・参加の低下を予防すること。実際的には、生活習慣病予防(脳卒中や糖尿病など)を必要がある。介護予防のための「生活機能評価」は、現行の特定健診(健康づくり)、疾病の早期発見、早期治療を中心とした取組などが必要となる。

生活機能チェック

問診

自覚症状・既往歴

自覚症状:自覚症状の有無を確認し、自覚症状あるいは主訴のある場合には 現病歴を聴取。

既往歴:「生活機能評価」は 65 歳以上の高齢者を対象とするが、既往歴については高血圧、 脳卒中、狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症、関節症、うつなどについて可能な限り詳しく聴取する。また、服薬状況や入院歴についても聴き取る。

身体計測

身体計測は低栄養の判定のために用いられる。身長および体重を測定し、BMI を算出する。BMI18.5 未満の者および「6ヶ月間で2~3kg 以上の体重減少」のある者については、血清アルブミンとともに「低栄養」の判定を行う指標。

理学的検査

生活機能、特に心身機能に関する検査を行う。 起立動作、着席動作、歩行状態などの身体の動きや体格、皮膚色、浮腫の有無、顔貌や表情、動作などを観察する。

血圧測定

血圧の測定は原則として 2回行うことが望ましいと言われている。特に初回測定で血圧高値(例えば 140/90mmHg 以上)の場合には少なくとも 2 回の測定が望まれる。血圧高値の場合、家庭血圧の測定を必要に応じて勧める。高血圧症と判断された方は、かかりつけ医での治療(薬の服薬等)を聴取し、また要治療の高血圧を放置している者に医療機関への受診を進めるなどの対応を行う。

 

●生活機能評価

運動器の機能向上

 握力、開眼片足立時間、歩行速度

栄養改善

 BMIが18.5未満

 血清アルブミン値3.8g/dl以下

口腔機能の向上

 視診により口腔内の衛生状態に問題を確認

 反復唾液嚥下テストが3回未満

閉じこもり予防・支援

認知症予防・支援

うつ予防・支援

 

※ 基本チェックリストのwebサイト

 tyekkurisutomanyuaru.pdf (iwaki.lg.jp)

 

●基本チェックリストの一覧

  1. バスや電車で、一人で外出していますか
  2. 日用品の買い物をしていますか
  3. 預貯金の出し入れをしていますか
  4. 友人の家を訪ねていますか
  5. 家族や友人の相談にのっていますか
  6. 階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか
  7. 椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか
  8. 15分位続けて歩いていますか
  9. この1年間に転んだことがありますか
  10. 転倒に対する不安は大きいですか
  11. 6ヶ月間で2kgから3kg以上の体重減少がありましたか
  12. 身長(cm)と体重(kg)およびBMI(注)
  13. 半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか
  14. お茶や汁物等でむせることがありますか
  15. 口の渇きが気になりますか
  16. 週に1回以上は外出していますか
  17. 昨年と比べて外出の回数が減っていますか
  18. 周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあると言われますか
  19. 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか
  20. 今日が何月何日かわからない時がありますか
  21. (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない
  22. (ここ2週間)これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
  23. (ここ2週間)以前は楽にできていたことが今はおっくうに感じられる
  24. (ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない
  25. (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする

 

  • 1~5の項目:日常生活関連動作について
  • 6~10の項目:運動器の機能について
  • 11.12の項目:低栄養状態かどうか
  • 13~15の項目:口腔機能について
  • 16.17の項目:閉じこもりについて
  • 18~20の項目:認知症について
  • 21~25の項目:うつについて

※21~25の項目に関しては「一時的なもの」ではなく、「ここ2週間継続して感じている」かどうか。

 

【介護】運動器機能向上加算に必要な体力測定

【介護】運動器機能向上加算に必要な体力測定

 

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●運動器機能向上加算とは

運動器機能向上加算とは、生活機能の低下や要介護状態になる恐れがあり、運動器の機能向上が必要と考えられる者(要支援者)を対象とした介護予防サービスを提供した場合に算定できる加算。

 

●加算に必要な体力測定

①握力測定

②開眼片足立ち時間

③Timed Up & Go Test

④5m歩行時間(通常・最大)

 

●各体力測定の説明

①握力測定

測定方法

・グリップを握る位置は人差し指の第2関節が直角になる様に調整。

・測定は立位で実施。

・1回の練習後、左右1回ずつ実施。

記載事項

・座位姿勢で行なった場合は備考に記載。

 

②開眼片足立ち時間

測定方法

・腰に両手を当て、片脚を床から5㎝程度上げる。

・検査前に1~2回練習後に、左右1回ずつ実施。

・測定時間は最長60秒まで。

終了条件

・挙げた足が支え足や床に触れる。

・支え足の位置がずれる。

・腰に当てた手がずれる。

・足が大きく振れてバランスをとる。

 

③Timed Up & Go Test

測定方法

・開始肢位は背もたれに軽くもたれかける。

・肘かけがある椅子では肘かけに手を置いた状態、肘かけが無い椅子では手を膝上においた状態とする。

・両足が床につくように配慮する。


・椅子から立ち上がり、3m先の目印を回って、再び椅子に座るまでの時間を測定。

・身体の一部が動き出すときからお尻が接地するまでの時間を計測。

・一連の動作を「通常の歩行速度(安全で快適な速度)」と「最大の歩行速度」の1回ずつ計2回を測定。

・2回の測定のうち、速い時間を採用し、秒数の小数点以下1桁までを記入。(2桁目は四捨五入) 

・コーンの回り方は、右回り・左回りどちらでも良い。

・日常生活において歩行補助具(杖)を使用している場合は、そのまま使用。

注意事項

・最大の歩行速度を測定する場合は、走らないように注意。

・3m先のコーンを回る時に転倒に注意。

・歩行にふらつきがある場合は、転倒に配慮するため測定者が横に寄り添う。

・椅子に座る時に勢いよく座ったり、転落・転倒しないように注意。

・数日後に再度TUG評価を行う場合に、測定条件が異ならないように注意。

 

④5m歩行時間

事前準備

・直線で11mをとれるスペースを準備(5mの測定用の歩行路と前後に3mの補助路)

・5mの測定用の歩行路の開始位置と終了位置に2箇所にテープを貼る

測定方法

・開始位置の3m前より歩き始め、開始地点のテープを足部が越えた時点から計測する

・終了位置を両足が越えるまでの所要時間を測定する ※小数点第 2 位まで

・通常歩行時間の測定は「いつも歩いているように」と指示する

・最大歩行時間の測定は「走らないようにできるだけ速く歩く」と指示する

注意事項

・最大歩行時間の測定では、走らない。

・杖や歩行器など歩行補助具を使用している場合は、歩行補助具ありとできれば使用しない場合の2種を測定。

 

●運動器機能向上加算を実施する目的と趣旨

通所介護における運動器機能向上加算を算定する利用者は、運動介入や生活改善等を通じて自立した生活機能を維持し、要介護状態に陥ることを防ぐことを目的として機能訓練を実施することが求められている

その機能訓練は身体機能そのものの回復を目的とする訓練ではなく、身体の働きや精神の働きである「心身機能」、ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」、家庭や社会生活で役割を果たすことである「参加」といった生活機能の維持・向上を目指して機能訓練指導員が利用者に対して直接実施する。