OT【作業療法】のブログ~医療・介護福祉・リハビリ~

2008年から作業療法士をしています。医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

【精神】強度行動障害

【精神】強度行動障害

 

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●強度行動障害とは?

強度行動障害は、自分や人を傷つけたり物を壊したりするなど、周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が高頻度で起きる。厳密には医学用語ではなく、行政・福祉において使われている用語。1989年の行動障害児者研究会による報告書において、初めて「強度行動障害」という言葉が使われた。この報告では、以下のように定義されている。

精神的な診断として定義される群とは異なり、直接的他害(噛みつき、頭突き等)や、間接的他害(睡眠の乱れ、同一性の保持等)、自傷行為等が通常考えられない頻度と形式で出現し、その養育環境では著しく処遇の困難なものであり、行動的に定義される群。家庭にあって通常の育て方をし、かなりの養育努力があっても著しい処遇困難が持続している状態。

 

●強度行動障害の特徴

・自傷行為

・強い他傷

・激しいこだわり

・激しい物壊し

・睡眠の大きな乱れ

・食事関係の強い障害

・著しい多動

・著しい騒がしさ

 

●強度行動障害の判定基準

強度行動障害は医学的な診断名でないため、行政・福祉的な支援を行う上での判定基準があり、主に支援者の間で使われる。強度行動障害の種類や程度、頻度を評価することで、その人に合った支援につなげることが目的。

 

①強度行動障害判定規準項目

強度行動障害を「ひどく自分の体を叩いたり傷つけたりする等の行為」「激しいこだわり」といった項目において、行動の頻度と強度から評価するもの。11項目において、得点(1点・3点・5点)を付け、合計得点 が10点以上を強度行動障害と定義。

現在は福祉型障害児入所施設において、強度行動障害児特別支援加算にかかる判定基準として使われてる。

②行動関連項目

2014年度に開始された障害支援区分の認定調査項目のうちの「行動関連項目」は、行動援護、重度訪問介護、重度障害者等包括支援などの支給決定の基準点を算出するもの。突発的な行動、コミュニケーションなどの12項目において0~2点で評価し、10点以上が対象。

③ABC-Jによる評価

ABC-Jは異常行動チェックリスト日本語版。「興奮性」「無気力」「常同行動」「多動」「不適切な言語」の項目で異常行動を評価することができる。この検査は行動障害に対する治療の効果の判断基準として使用されている。

 

●強度行動障害の原因

強度行動障害は、興味関心の限定やこだわり、それに対する過度な執着性や感覚の過敏性といった障害特性に環境がうまく合ってないことで、人や場に対する嫌悪感や不信感を高めてしまうことが原因。

特に重度の知的障害や自閉症スペクトラムがある人に発生することが多いと言われており、特性と環境によって、知的障害・発達障害が軽度の場合でも強度行動障害が見られることがある。

コミュニケーションの苦手さ

「分からない」ことに対する不安や不快感があってもそれがうまく「伝えられない」ことから、環境に対する嫌悪感や不信感が高まり、強度行動障害が起きると考えられる。

こだわりが強く余暇が乏しい

こだわりが強かったり、興味や関心が限定的な場合があり、強い執着によりできることやすることが極端に少なかったり、暇な時間に自傷行動をしてしまうこともある。

衝動性のコントロールが苦手

衝動性を抑えることが苦手な場合、自分の行動をやめることが苦手、感情的に行動してしまうことなどがある。

 

【介護】膝の痛み

【介護】膝の痛み

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参考資料

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjmj/48/2/48_186/_pdf

 

 

●関節の構造

関節は骨端の骨同士がこすり合わさる関節面はさ4~6mmの関節軟骨に覆われている。関節軟骨は柔らかく、摩擦係数が低く、氷と氷との接触摩擦よりも低い驚異的な潤滑性能を有する。

 

 

関節構造の変化

関節軟骨が何らかの原因で磨耗、それが原因で関節炎を引き起こす。原因は関節内骨折などの外傷後や化膿性関節炎後などの二次性のものがあるが、ほとんど原因が分かっていないものが多い自然に起こる一次性関節症が多い。発症年齢50歳以後急増し、年齢と共に増加。様々な研究の結果から、いずれも50歳代半ばから発生頻度は急増し、70歳代では半数以上に影響を及ぼすとの研究もある。

 

●膝に起こる症状

①疼痛

主に関節に荷重をかけて動かす時、歩行時(歩き出し)、階段昇降時、立ち上がるとき、深く曲げるとき等の日常生活動作全てに至る。また、関節炎のために腫脹、熱感が生じ、また関節に水が溜まる関節水症も生じる。初期は疼痛による可動域が制限、長期間罹患すると関節包の線維化や骨棘形成による可動域制限(拘縮)が生じ、膝が伸びきらない、曲がりきらないという状態が固定化し、そのためますます日常生活動作に制限が生じる。

②変形

日本人では、膝関節症の9割は内側の関節軟骨が磨耗し、徐々に内反膝(0脚)になる。この膝関節症の原因は不明、50歳代から急増し関節軟骨の何らかの退行性変性過程が基盤にあると言われている。男女比をみると、女性の罹患が男性4~5倍あり、女性ホルモンの関与も考えられている。また遺伝の関与が大きいと考えられ、近年、変形性関節症の遺伝子の解析が進んでいる。

③骨粗鬆症

結果分かってきたことは、膝関節症になる方は中高年以上の女性に多い骨粗霧症はなりにくく、逆に骨粗鬆症 になる方は膝関節症になりにくいことが分かってきている。

④X線写真

膝関節症をX線写真で見ると、関節軟骨はX線写真には写らないが、大腿骨と脛骨の隙間として写すことができる。膝関節症では、この関節の間が狭くなる。進行した膝関節症では軟骨の隙間は消失し骨と骨が接触するようになる。

 

●治療

治療には、保存的療法と外科的療法がある。進行して保存的療法の効果がなくなった症例では手術による療法 を行なうこともある。しかし、あくまでも保存的療法が主体であり、保存的療法は1)薬物療法、2)物理療法、3)運動療法の3つからなる。

 

1)薬物療法

薬は抗炎症鎮痛剤を処方されることが多い。最大の症状である痛みを和らげるためにこの薬剤を用いる。痛み が強い場合は日に2~3回服用し、痛みが軽くなってくると少しずつ服用回数や服用のタイミングなどを考え、痛みがあるときのみに服用するようにする。あくまでも痛みの軽減が目的であるため、関節自体がよくなっていくというものではない。

2)物理療法

物理療法は、温めたり冷やす、電気刺激を加えるなどによって痛みなどの症状を軽快させる方法。病院では専用の機器を用いて物理療法を行うが、家庭でも同様の効果を出す事が出来る。家庭でできることとして、お風呂に入ること。お風呂で温まることによって痛みは軽減できる。また、お風呂で関節が温まって柔 らかくなれば膝のストレッチ訓練もやりやすくなる。膝に熱感や腫れがあるときは、お風呂から上がったときにアイシングを行うこと炎症を抑えることができる。

3)運動療法

運動療法 は①ストレッチ、②筋トレ、③荷重運動の3つ。

①ストレッチ運動

膝関節症になると、徐々に膝の曲がりが悪くなる、伸びきらないといった症状が出る。前述のお風呂に入り、十分温まったら、ゆっくりと痛みがない範囲で最大まで膝を曲げたり、膝に手を当てて膝を伸ばす体操などが良い。お風呂で温まることで、関節の痛みの軽減、関節が柔らかくする効果がある。

②筋運動

・SLR訓練

仰臥位で反対膝は曲げて、膝を伸ばしたまま踵を床から10~15cmほど挙げ、5秒間止め、ゆっくり下ろす。

・外転筋運動

側臥位で下肢が床に水平になるくらいまで挙上5秒間停止し下ろす。

・内転筋運動

座位で大腿部にボールをはさみ、そのボールを両ももの力で5秒間つぶす。

③荷重運動

中年以後体重は増加傾向にあり、下肢の関節には負担が増えていきます。下肢の筋肉運動を行うことは、筋肉 の萎縮に止め、筋肉の関節への負担の分散、緩衝能力を再び取り戻す効果があると言われている。

 

【文献に独り言】漢方と脳卒中リハビリテーション医療

【文献に独り言】漢方と脳卒中リハビリテーション医療 

 

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【文献】漢方と脳卒中リハビリテーション医療

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/55/12/55_55.968/_pdf

 

●文献引用①

西洋医学的治療では、脳卒中後の疲労感を改善する治療法の1つに、漢方薬、特に補中益気湯などの「補剤」の適応となる。「補剤」は、疲労感の改善が知られており、活動量が増加・筋肉量低下や身体機能低下の予防。

補気(ほき)作用とは、抗うつ作用を含むものと考えられる。

≪独り言≫

病院でも漢方に詳しい先生は漢方を補剤として出して下さる方も多くなってきたような気がします。

よく出てるのは、“抑肝散”ですかね。この漢方は飲んでる方が多い印象。

 

●文献引用②

フレイル・サルコペニアに対する西洋医学的アプローチは、ポリファーマシーにつながりやすく、漢方薬を処方することで処方薬剤数が減り、ポリファーマシーを避けることが可能。

≪独り言≫

ポリファーマシーって何???

「ポリファーマシー」は、「Poly」+「Pharmacy」で多くの薬という意味。多くの薬を服用することにより副作用などの有害事象を起こす。ことらしいです。

まだまだ知らない言葉が沢山ありますね。それもこれって結構問題になってることだし、今後も薬の調整が出来ず、いろんな薬を飲んでしまう高齢者が増える可能性は高いですし・・・。 

 

●文献引用③

不眠に対する西洋薬(ベンゾジアゼピン系睡眠薬)の乱用と依存性を危惧。できれば、漢方薬だけで良質な睡眠が得られることが理想。西洋薬と併用して十分な睡眠が得られれば…。抑肝散加陳皮半夏と帰脾湯を処方して、不穏状態が改善した経験も。現在使われている漢方薬の多くは、さまざまな生薬の組み合わせの歴史的淘汰を勝ち抜いた安全かつ効果が保証されている薬。≪独り言≫

最近見たYouTubeで東洋医学から西洋医学に変わったのはGTQの陰謀。西洋医学が日本をダメにした。って言ってたけど、どちらかを悪にするのは正直おかしいと思う。結局はバランス。特に漢方は市販で買えるものも多いし、陰謀論ばかり信じる人は自分で調べて自分で行動してから色々と言って欲しいなぁ。

 

●文献引用④

神経過敏、神経症、不眠に対する柴胡桂枝乾姜湯柴胡剤の中で最も虚証向けの漢方薬である柴胡桂枝乾姜湯は、顔色がすぐれず、疲労倦怠感があり、不眠などの精神神経症状を伴う場合に処方。構成生薬に、栝楼根、牡蛎が入っているのが特徴。栝楼根は、潤肺、止渇、排膿の効能があり、微熱、盗汗や乾燥性の咳嗽や痰、口渇に対して用いられる。牡蛎は精神を安定させる。

≪独り言≫

柴胡桂枝乾姜湯は半年くらい飲んでたけど自分にはあまり効果が無かったなぁ、不眠に効果があると期待したものの・・・。漢方は効果が出るまでに時間がかかると言われているけど、半年飲んで寝付きすら良くならなかったから止めちゃった。

 

●まとめ

漢方は基礎研究も膨大でエビデンスも高いと思うので、この文献に書かれている通り、西洋薬と併用してその人に合った飲み方ができればもっと日本の医療・福祉も良くなっていくと思う。でもよく言われる医療の利権とか陰謀論とか言われてるから、反漢方とかいう人も出てくるのかなぁ。やっぱり何事も1つの情報に惑わされることなく、いろんな意見を聞くべき。

 

【神経】神経痛の特徴

【神経】神経痛の特徴

 

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●神経痛とは

神経痛とは特定の末梢神経の支配領域に急に起こる激しい痛みのこと。痛みは針で刺されたような鋭い痛みで不規則な感覚でくり返し起こります。

 

<神経痛の特徴>

①痛む部位が1本の末梢神経の支配領域に一致している。

②鋭く激しい痛みが突然おこり、持続時間が数秒~数分と短く、 いったん痛みが治まっても再発をくり返す。

③痛みの治まっているときに、痛みの生じる末梢神経の部位を指で押すと痛みがおこる

④痛みが治まっているときに、痛みの生じる皮膚や粘膜を指で刺激すると痛みが誘発される。

⑤咳きやくしゃみをしたり、特定の姿勢をとったりすると痛みが誘発される。

⑥中年以降の人に発症が多い。

 

神経痛は原因のわかる「症候性神経痛」と原因がわからない「突発性神経痛」とに分類される。

「症候性神経痛」は診察や検査で、末梢神経を刺激して痛みをおこしている病変(骨の変形や帯状疱疹など)、腫瘍、外傷などが見つかる神経痛で本人が自覚していなくても、精密検査を行ってみると、筋肉の萎縮や運動障害、発疹、しびれ、こわばりなどの障害。

「突発性神経痛」は、検査を行っても痛みをおこす病変が見つからない神経痛。

 

●三叉神経痛

三叉神経痛(三叉神経)は、第5脳神経といい、知覚枝と運動枝から成る。 顔面が痛むことから、顔面神経痛とも呼ばれている。しかし、顔面神経は顔の筋肉を動かす運動神経で、この神経が刺激されても痛みを感じることはない。

痛みの発生で最も多い訴えの部分は頬の部分を中心とした領域。次いで、目の下の部分や目の上にあたる前頭部が痛むことが多い。

神経痛の中でも三叉神経痛が最も多く、男性より女性の患者がやや多く、40~50代に発病することが多い。

症状としては、鋭い痛みが顔面の片側に突然起こる。くしゃみ、あくび、会話、洗面、冷風といったことが刺激となって突然痛み出すことが多い。

三叉神経痛の治療は、脳腫癌や脳動脈癌の圧迫など原因がはっきりしている場合はそれに対する治療を行う。

 

●肋間神経痛

肋間神経は、肋骨の間を走っていて、背中(胸髄)から出て、胸腹部に分布する末梢神経(胸髄神経)で、右側と左側のそれぞれに12本計24本ある。上部(首に近いほう)の7対は肋骨に沿って肋骨に向かって伸び、下部(腹部のほう)5対は、前下方に向かって伸び、腹部に分布。  

この肋間神経に沿って痛み、症状は背骨から片側の1本の肋骨に沿って激しい痛みが突然起こる。肋骨に沿った部位や腹直筋の上で押すと痛みのおこる圧痛点が存在することが少なくない。帯状疱疹ウイルスやコサッキーウイルスによる感染や風邪などでもおこる場合があり、狭心症や胸膜炎などの内臓疾患の放散痛としてあらわれることも。

深呼吸をしたり、咳、くしゃみ、大声などで痛みが誘発されるほか、痛みの無い側へからだを曲げ、肋間神経を伸ばすようにしても痛みが誘発される。

 

●坐骨神経痛

坐骨神経は人体中で最大最長の末梢神経で、鉛筆の太さくらいもあり、1m以上もある長い神経。腰椎下部と仙骨上部に始まり、骨盤を貫通して大腿後面に沿って下行し、膝の後で分かれて下腿の前後面に分布。

この神経が刺激されると片側の殿部、大腿の後面、ふくらはぎが痛み、踵やくるぶしのほうまで痛みが響くことがある。原因は、椎間板ヘルニア、腰椎症、腫瘍などでも起こることも。  

症状は、安静にしても多少痛みが続いていることが多い。咳やくしゃみなどで痛みが下方にまで響き、体を曲げたりすると痛みが強くなる。また、脚のしびれ、知覚のにぶさ、腱反射の異常などがみられる場合もある。

 

●治療

薬物療法

解熱鎮痛薬、非ステロイド抗炎症、筋弛緩薬、抗けいれん薬、ビタミン剤などの使用で痛みを和らげる。

安静保護療法

痛むときは無理をせず休養を。痛みが和らぐ姿勢を保ち、安静を心がける。痛む部位を冷やさないようにし、コーヒー、アルコール、香辛料などの刺激の強いものやタバコなどは避けたほうが良い。

理学療法

整形外科で行われる治療法で、痛みの原因が存在する部位の負担を取り除く牽引療法や、痛む部位を固定して安静を保つコルセットや頸推カラーの装着のほか、痛む部位を温める赤外線照射などが行われる。

神経ブロック

痛みのおこる末梢神経に麻酔薬を注入し、痛みを止める治療法。

鍼灸療法

鍼や灸でいわゆるツボを刺激し、痛みを抑える治療法で、人によってはかなりの効果があるといわれている。

手術

椎間板ヘルニア、背椎や脊髄の腫瘍などは、手術は第一の治療法。

 

【リハビリ】サルコペニアの基準

【リハビリ】サルコペニアの基準

 

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●サルコペニアの新基準 (AWGS)

第6回日本サルコペニア、フレイル学会にてアジアサルコペニアワーキンググループ(AWGS)による2019年版の新しいサルコペニア基準が国内で初めて発表された。

 

AWGSの診断基準

①筋力(Muscle Strength)

②身体機能(Performance)

③骨格筋量(Skeletal muscle mass) の3つをもとに

サルコペニア(低筋力+低骨格筋量 もしくは 低身体機能)と重度サルコペニア(低筋力+低骨格筋量 かつ 低身体機能)に分類する。

 

カットオフ値

筋力

男性:握力28kg未満、女性:18kg未満

身体機能

歩行速度1.0m/秒未満(6m歩行速度にて)

もしくは 5回椅子立ち上がりテスト 12秒以上

もしくは Short Physical Performance Battery 9点以下

骨格筋量

Dual-energy X-ray absorptiometry:男性:7.0kg/m2未満 女性:5.4kg/m2未満

Bioelectrical impedance analysis:男性:7.0kg/m2未満 女性:5.7kg/m2未満

 

なお、スクリーングとしてのカットオフ値は、下腿周囲長が男性34cm未満、女性が33cm未満、SARC-Fが4以上、SARC-CalFが11以上とされている。

 

●EWGSOPによる定義

サルコペニアの診断基準は様々な種類がありますが、ヨーロッパのワーキンググループEuropean Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)による定義がよく使われています1)。

四肢骨格筋量の低下があることに加えて身体機能(歩行速度)の低下または、筋力(握力)の低下がある場合にサルコペニアと診断されます。

四肢骨格筋量は四肢の筋肉量(ALM)を身長(m)の2乗で割った、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)の値(kg/㎡)が男性では7.23 kg/㎡以下の場合、女性では5.67 kg/㎡以下であることが必須の条件であり、さらに10mの歩行速度が0.8m/秒未満の場合、あるいは握力が男性では30kg未満、女性では20kg未満の場合にサルコペニアと診断されます。

 

WGSOPによる診断基準

四肢骨格筋量(ALM)

ALM÷身長(m)の2乗  男性:7.23 ㎏/㎡以下、女性:5.67 ㎏/㎡以下

身体機能(歩行速度)

0.8m/秒以下

筋力(握力)

男性:30㎏未満、女性:20㎏未満

 

日本人のサルコペニアの診断基準

EWGSOPの診断基準では欧米人の高齢者の基準値であり、日本人と欧米人では、高齢者であっても体格や生活習慣の違いがあるため、日本人の高齢者に合ったサルコペニアの簡易基準案を国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)が作成しています。

65歳以上の高齢者で、歩行速度が1m/秒未満、もしくは握力が男性25kg未満、女性20kg未満である場合で、さらにBMI値が18.5未満、もしくは下腿囲が30cm未満の場合にサルコペニアと診断されます。

歩行速度、握力が基準値以上であった場合は正常。歩行速度、握力が基準値以下でもBMI、下腿囲が基準値以上であれば脆弱高齢者であるがサルコペニアではないと診断されます

この簡易基準では身長、体重、握力計、メジャー、ストップウォッチがあれば測定可能であり、診断が比較的容易に行える利点があります。歩行速度の1m/秒は横断歩道を青信号のうちに渡り切ることのできる歩行速度とされています

 

【介護】廃用性浮腫について~むくむくな足を何とかしたい~

【介護】廃用性浮腫について~むくむくな足を何とかしたい~

 

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●下肢のむくみ=浮腫とは

組織間隙液(組織間質液)が異常に増加した状態で肉眼的でむくんだ状態

下肢の浮腫の原因は様々で、全身的な浮腫をきたす疾患や局所的な浮腫をきたす疾患にわかれる。

近年、急激な高齢化により、全身疾患や器質的原因を伴わない下肢浮腫によく遭遇し、下肢血管外科専門家の間で「廃用性浮腫」と呼ばれるようになった。

 

【廃用性浮腫の病態】

起立したままであれば、夕方になれば下肢がむくむ現象が見られる。この下肢のむくみを、起立性浮腫という。

慢性的なうっ血状態が続くはずだが、実際には下肢筋肉を収縮すること、静脈弁の働きで重力に逆らって静脈血を心臓に戻す働きでうっ血は避けられる。この下肢の血液の流れが「静脈還流」であり、静脈還流の駆動力となる下腿の筋肉の働きを「下腿筋ポンプ作用」と呼んでいる

高齢者はあまり歩行しないので、下腿の筋肉ポンプ作用が低下し、さらに皮膚緊張度も低下するため、容易に下肢浮腫を生じ、これを「廃用性浮腫」と 呼んでいる。

 

【診断】

活動性低下による廃用性浮腫は、筋肉と連動した静脈弁の機能不全が一因と考えられているが、単に静脈還流不全のみで発症するわけでもなく、いまだに体系的な研究が行われているわけではない。複合的な要因が絡んでいると思われ、他の原因(低栄養による浮腫、麻痺による浮腫)が混在していることも多い。

 

◎局所片側性に浮腫をきたす疾患

急性(72 時間以内)

高頻度:深部静脈血栓症

中頻度:腓腹筋障害、コンパートメント症候群、Baker 嚢腫破裂

慢性

高頻度:慢性静脈還流不全

中頻度:二次性リンパ浮腫、骨盤内腫瘍、骨盤内リンパ腫、RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)

低頻度:May-Thurner 症候群、先天性静脈奇形、一次性リンパ浮腫

 

◎両側性に浮腫をきたす疾患

急性(72 時間以内)

中頻度:深部静脈血栓症、心不全急性増悪、腎不全急性増悪

慢性

高頻度:慢性静脈不全

中頻度:肺高血圧症、心不全、腎不全、肝不全、二次性リンパ浮腫、妊娠、肥満、骨盤内腫瘍、廃用性浮腫

低頻度:一次性リンパ浮腫、拘束性心臓外膜炎、心筋症、栄養障害、脚気

 

【治療】

廃用性浮腫の治療にgolden standardはなく、いくつかの治療法を組み合わせ、患者の苦痛の軽減をはかる

 

◎理学療法

筋肉に対して適切な理学療法を加えることは、一定の自覚症状改善効果がある可能性がある。定期的にリハビリ施設への通院が困難な場合、患者自身に積極的にリハビリを継続する意欲が低いなど、患者個人で対処困難なケースが多い。

廃用性浮腫と診断した症例の50%以上が運動能力低下や介助者がいないため治療を断念しているとの報告されている。寝たきりになってしまえば、下肢の廃用性浮腫は解消されるが、患者と家族にとっては問題の解決ではないので、廃用性浮腫の段階で対処できることが望ましい。

 

◎圧迫療法(弾性ストッキング)

弾性包帯や弾性ストッキング着用により浮腫は改善するが、廃用にいたった筋力が圧迫療法によって改善するわけではない。廃用性浮腫に併発し易い深部静脈血栓症予防の一定の効果は望めるが、廃用性浮腫の患者は強い圧迫療法ができない事も多く、中圧より圧の低いチューブ包帯から開始する事も多い

 

◎低栄養状態改善

廃用性浮腫は肥満患者にも見られるが、サルコペニアのような低栄養状態でも多くみられる。高齢者において低栄養は改善すべき重大な問題であるが、原因が多岐に渡る。高齢者の場合、GERD(食道胃逆流症や、蠕動低下などの機能的な消化管の問題から、義歯装着による咀嚼力低下、亀背など変形性脊椎症でより逆流性食道炎は起きやすく、体幹の姿勢保持ができないことも栄養障害の原因になる。歯科、消化器科から整形外科に渡る問題を抱えているケースが多い。

 

◎膝関節股関節治療

下肢筋力低下の原因が変形性膝関節症や、変形性股関節症の場合、高齢者でも手術により運動機能や疼痛が緩和できる可能性があれば、手術をすすめるべきである。近年の整形外科手術の全国統計では80歳以上の手術件数が増加しており、改善が見込まれる場合、麻酔が禁忌でなければ積極的に手術加療する事が望ましい。全身麻酔リスクが高ければ、鎮痛薬服用、装具着用となるが、人工関節置換術ほどの高劇的な効果は望めない。

 

【治療の現状】

廃用性浮腫の治療法は、下肢の運動と圧迫療法が主体となるが、外来で行う事は難しい。当院での症例を提示する。いずれもADLの低下したフレイルな高齢者である。圧迫用法と五苓散および運動療法を行っているが悪化はしないものの効果に乏しい。

効率的に行うには入院での複合的療法(CDT)が推奨されている。廃用性浮腫の複合的治療を積極的に行っている施設は少ない。

四肢リンパ浮腫治療に用いられている保存的治療法である複合的治療(用手的ドレナージ、圧迫療法、運動療法)。四肢リンパ浮腫では皮下に貯留しているリンパ液のアルブミン濃度が高いため、治療開始から効果を得ることが難しいケースも多いが廃用性浮腫は皮下に貯留したリンパ液のアルブミン濃度が低いため、圧迫療法で比較的容易に下肢の浮腫を軽減することが可能である。廃用性浮腫症例の多くが、日々の活動性の低下した独居高齢者、もしくは家人の協力の得られない方が多く、一旦脚の腫れが軽快して自宅に帰っても、元々の下肢を使わない日常生活に戻ると容易に脚が腫れ、外来受診時には、元の状況になっていることも多い。リンパ浮腫に対する複合的療法は保険収載されているが、廃用性浮腫に対する治療は、廃用症候群のリハビリ料などでしか算定できず、急性期病棟では受け入れが難しい。

 

 

【健康】男性ホルモン~男性らしさ、その源!?~

【健康】男性ホルモン~男性らしさ、その源!?~

 

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●加齢による男性ホルモンの低下

更年期障害とは「40代以降の男女の性ホルモン分泌量の低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群」のこと。

男性の場合、LOH症候群と呼ばれており、テストステロン(男性ホルモン)の分泌量が減ることなどが原因と考えられる。
<テストステロンの役割>

・骨格や筋肉の成長促進

・性欲・性衝動の亢進

・脳や精神面への影響  など

分泌の最盛期は20代。加齢とともにその量が減ってくると、精力が落ちたり、じっとしていても汗が出たりと、さまざまな心身の不調が起きる。


テストステロンの量はみんな違う

①テストステロンが多い人

・縄張り意識や仲間意識が強くなる傾向。

・社会とのつながりも強くなる。

・人の意見に耳を傾けない人が多い(共感力が低い)。

テストステロンが少ない人

・共感力の高い人が多い。

・結果的に他人のことを考えすぎる。

男性の更年期障害には女性のように閉経前後といった目安がなく、人によっては長く苦しむケースもある。また、放置するとうつ病や心筋梗塞、骨粗鬆症などのリスクも高まる。

 

●更年期障害の症状

身体面

精力低下、多汗、勃起障害・性機能低下、筋力低下、筋肉痛、ほてり、頭痛、めまい、耳鳴り、頻尿、肥満など

精神面

集中力や記憶力の低下、無気力、不安感、頭のもやもや感、イライラ感、うつ、疲労感など

 

<男性の更年期障害の特徴
・性欲が減った
・パワー不足だと感じる
・やる気が出ない
・集中力が続かない
・体毛が薄くなった
・身長が縮んだ
・気分がふさぎがち、もしくはイライラしがち
・勃起力が弱くなった
・疲れやすくなった
・実務能力が落ちたように感じる

 

●治療はあるのか!?

①注射

血液中のテストステロン値が低く、心身の不調が著しい場合は、男性ホルモン補充療法を行うことがあります。ただ、これは前立腺がんや肝臓病、腎臓病、心臓病などがある場合は、症状悪化の可能性があるため実施することができません。また、男性ホルモンは血液を作る役割もあるため、投与量が多くなると多血症を引き起こすこともあるため注意が必要です。

 

②薬・生活習慣

症状によってですが、その症状に合った薬を使うこともあります。

男性の更年期障害の改善・予防のためには、テストステロンを増やす必要があります。心がけ次第で分泌量を増やすことできるため、生活習慣も見直していく。

 

③挑戦する・運動する

競い合い、自分を高めようとすることで、テストステロンの分泌が分泌されます。スポーツやゲームを楽しむ、趣味が芸術系ならコンクールなどに挑戦するなど刺激になりそうなものに行っていくのも良いとされています。

適度な運動もテストステロンの分泌を促します。定期的な筋トレやウォーキングなどが良いとされ、なるべく使わず階段を昇り降りも良いです。

 

睡眠の質を上げる

テストステロンは眠っている間に分泌されるため、“睡眠”が大切です。
・寝る直前までスマートフォンを使わない(ブルーライトは眠りを浅くする)

・アルコールの摂りすぎも熟睡を妨げる。
・パジャマを着る。 など

 

ストレスをためない

<自分なりのストレス解消法を見つける>

・ぬるめのお湯にゆったり浸かる。

・好きな音楽を聴く

・気の合う仲間との時間を楽しむ など

・孤独にならない

ひとりで過ごしていると、テストステロンは減ります。趣味仲間と交流するなどして、刺激を受ける機会を作ることが重要になります。

 

【健康】女性ホルモンの不思議~減ると更年期障害に!?~

【健康】女性ホルモンの不思議

 

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●女性ホルモンとは?

女性ホルモンには・・・

エストロゲン(卵胞ホルモン)

プロゲステロン(黄体ホルモン)

という2種類のホルモンがあります。

 

エストロゲン

<働き>

①子宮内膜を厚くして妊娠準備をする。

②全身の健康に影響(詳細は下記)

<特徴>
・子宮を広げる(精子を通りやすくするため)
・乳汁を抑える(妊娠中)
・女性の体を作る
・コラーゲン生成を助ける(肌に影響する)
・動脈硬化を防ぐ(血管に作用)
・骨粗鬆症を防ぐ(骨密度を保つ)
・髪をツヤを出す
・物忘れを予防
・善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす

 

プロゲステロン

<働き>

①子宮内膜に着床しやすくする。

②妊娠した時、妊娠を継続するように働く。

③妊娠しなかった場合は、子宮内膜をはがして月経し、リセットする。

<特徴>

・子宮内膜や子宮筋の働きを調節する
・乳腺の発育
・体内の水分量を保つ
・食欲を増進
・基礎体温を上昇
・眠気
・イライラする・憂鬱になる

 

 

●女性ホルモンが減るとどうなる?

女性ホルモンが減ることでの悪影響はさまざま。

女性の場合は、更年期障害が生じることが多いようです。

<更年期障害の症状>

肩こり

疲れやすい

頭痛

腹痛・腰痛

のぼせ・ほてり・発汗

不眠

イライラ

動悸・息切れ

うつ状態・不安感

めまい など

 

 

●女性ホルモンを整える方法?

激しい運動は良くない?

激しい運動をして体重激減した場合、女性ホルモンのバランスが崩れる原因となるようです。

体重激減により女性ホルモンが崩れ、月経が止まってしまうことも。

運動すること自体が悪いのではなく、急激な体重減少がしないように適度な運動をして体重管理を行いましょう。

 

ストレス

ストレスが原因で、無月経になってしまう人も。

ストレスを溜めないように、睡眠や休憩を十分にとり女性ホルモンを整えましょう。

 

食事から摂取する

よく言われるのは「大豆製品」です。

最近では、女性ホルモン類似物質である「※エクオール」を含むサプリメントも効果があると言われています。

※エクオールはエストロゲンとよく似た働きをして、大豆の健康効果を効率よく得られることができると言われています。

 

禁煙

身体に悪影響しかないタバコ。

女性の場合、閉経が早くなってしまうなどの影響が出るとの事。

 

 

参考資料

https://woman.mynavi.jp/article/160622-16/

https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/shittemiyo/body.html

 

【健康】女性が気になる体脂肪~健康は体調管理から~

【婚活】女性が気にする体脂肪

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女性が気にする体脂肪。
自分も気になります。でも痩せてるほうだと思いますw
BMIが16%なのでw
BMIについては後程、説明します。

 

 

●まず体脂肪とは!?

体脂肪と言っても2種類あるようです。
それが”皮下脂肪”と”内臓脂肪”。

①皮下脂肪
名前の通り、皮膚の下に付く脂肪でお腹周りに付きやすいです。
この脂肪は女性に多く付きやすく、落としにくい脂肪でもあります。
下半身太りの原因となります。

②内臓脂肪
皮下脂肪は女性、内臓脂肪は男性に多く付きやすいと言われてます。
皮下脂肪と違い、内臓脂肪は落としやすいと言うのが特徴的です。
ポッコリお腹の男性を見たときは、内臓脂肪が多い証拠です。
内臓周りに付く脂肪なので、生活習慣病などの病気に繋がる可能性が高い脂肪であるため注意が必要です。

●体脂肪率とは?

体脂肪率が測れる体重計であれば簡単なんですが、
一応、計算式にすると・・・
体脂肪率(%)=(体脂肪の重さ(kg)÷体重(kg))×100
でも、体脂肪の重さが分からないので計算できない💦

なので、一般的にはBMIで計算します。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

目標体重=目標BMI×身長(m)×身長(m)

日本では最も病気になりにくい数値:22
18.5以下だと痩せすぎ病気になるリスクが高くなる
※女性の場合は19を目安に考えると良いそうです。

ここまで説明しといてなんですが・・・
残念ながらBMIと体脂肪率はあくまで別です。

見た目が痩せている+体脂肪率も少ない=痩せタイプ

見た目は痩せている(BMIは低い)+体脂肪率は高い=隠れ肥満

隠れ肥満の場合は、健康上の不安も出てきます。

体脂肪率の適正値は、年齢や性別によっても変わります。
もっとも早く適切な値を知る方法は、体重計に体脂肪率が測れるものを買うのが1番いいかもw。それの方が毎日確認することもできます。
体脂肪率は女性の方が男性に比べると、標準範囲がやや高くなります
女性が体脂肪率が低すぎると、体温調整が崩れたり、ホルモンバランスの乱れ、月経不順などが生じるリスクが高くなります。

●体脂肪を減らす運動

体脂肪を減らすためには・・・
有酸素運動無酸素運動を合わせた運動が効率的。

有酸素運動・無酸素運動とは?

無酸素運動

短時間に高負荷をかける運動。成長ホルモンを分泌することで脂肪分解を促進。
<例>:短距離走・筋トレ・ウェイトリフティングなど

有酸素運動
長時間かけて負荷をかける運動。脂肪を消費できる。
<例>:水泳・ジョギング・ウォーキング・サイクリングなど

無酸素運動:脂肪分解 有酸素運動:脂肪消費。
例えば⇒筋トレ+ランニング

体脂肪も体重もBMIも気になりますが、まずは自分の体脂肪やBMIを知るところからスタートするのも良いのではと思います。
皆さん、まずは健康第一‼ですよ。


参考資料

https://forzastyle.com/articles/-/55678#a1

https://www.elecom.co.jp/pickup/column/healthcare_column/00021/

 

【情報】人はなぜ臭くなるのか!?②

【情報】人はなぜ臭くなるのか!?②

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パート①で、①頭皮臭、②口臭を紹介しました。是非読んでください。

リンクはここ⇩⇩

www.ohashi1212.com

 


 

 

パート①で①頭皮臭②口臭を紹介してます。上にリンクがありますので見てみてください。

③脇の臭い

脇の臭いと聞くと出てくるのは”ワキガ”です。

<汗の種類>
エクリン腺
エクリン腺は体温調節の役割をする汗を出します。体全体にある汗腺です。エクリン腺から分泌される汗は、99%が水分と言われており、さらっとした汗で、ほぼ無臭です。

アポクリン腺
毛穴にある汗腺です。脇の下や耳、陰部、乳輪、へそなど、限られたところに集中している汗腺です。
アポクリン腺から分泌される汗には、少量のタンパク質や脂質、アンモニアなどが含まれています。タンパク質が細菌によって分解されることによって、ワキガ特有の臭いが発生します。
☆ワキガはアポクリン腺があるせいで臭いが出るのです。

<ワキガチェック>

”ワキガ”の臭いが自分ではよく分からないという人は、タオルやガーゼを5分間程度、脇に挟んでから、そのガーゼの臭いを確認するとわかるようです。

<ワキガの臭いを少なくする方法>

常に清潔を保つ
汗をかいた時は、菌が増えて臭いが発生する前にふき取るのが良いそうです。
またアポクリン腺が多い脇や耳、陰部は、ボディソープや石けんなどでしっかりと洗い清潔に保つことが大切なようです。

制汗剤など使い過ぎない
汗の分泌を抑える・臭いの元をブロックする市販の制汗剤などは、効果もあるようですが、使い過ぎは逆効果になるようです。
使い過ぎてしまった場合、洗っても脇の皮膚にパウダーやクリームなどが残ってしまうことがあります。するとそれらが毛穴を塞いでしまいます。そこに、汗が溜まり細菌が増えてしまい、その結果、さらに臭いが出てしまうことに繋がってしまいます。
病院を受診し、臭い改善の薬を処方してもらうこともできるようなので、市販薬を買っても効果のない場合は、皮膚科や美容外科を受診するのもよいと思います。

ボトックス注射(最終手段??)
ボトックス注射を打つことで、ほぼ汗を止めるこ可能らしいです。
1回の注射で半年から10ヵ月くらいは効果がでるようです。
まずは病院や美容外科で相談ですね。

 

④足の臭い

足が臭い。これよくありませんか?

<原因>
雑菌のせい
今まで説明してきた通り、臭いの原因はタンパク質が細菌によって分解されて起こることが原因です。
足の裏も同じく、汗をかきやすい場所なので、自然と臭いも出やすいのです。
特に足は”靴下”を履きます。
長い間、履きっぱなしの靴や靴下は蒸れやすく、臭いのもとになってしまうます。特にパンプスや革靴などは通気性が悪く汗が溜まりやすいため、細菌が発生しやすくなってしまうのも原因です。

疲れているせい
疲れていると、体の代謝が落ちます。
その結果、肝臓や腎臓の働きが悪くなってしまうため、尿など排泄物として出てくるはずのアンモニアが血液によって皮膚から出てきてしまうのです。

ストレス
ストレスや緊張すると汗の分泌が増えます。その結果”心理性(精神性)発汗”として汗が出てくるのです。

爪の垢
爪の間には汗や古い角質などの垢が溜まりやすいです。
これが放置されると、臭いが出てきてしまうのです。親指の爪には溜まりやすいようなので、しっかりと爪の間を綺麗にしましょう。


以上がパート2です。
どの臭いも共通することは、

①食生活②ストレス③運動不足(代謝が悪くなる)です。

これを機会に自分の生活を見直すのも良いかもしれませんね。