【介護】便秘の種類とマッサージ
●便秘の種類
①機能性便排出障害
②大腸通過遅延型
③大腸通過正常型
・機能性便排出障害
【対応】
①腹圧をかける(トイレ誘導)
②腹部マッサージ
③座薬(直腸に作用)
・大腸通過遅延型
【対応】
①水分を多く飲んでもらう
②便に水分を含ませる
③乳製品(ヨーグルト・牛乳)
④オリーブオイル
⑤腹部マッサージ・温罨法
⑥緩下剤(酸化マグネシウム・マグミット等)
⑦刺激性下剤
・大腸通過正常型
直腸までおりてきていれば、腹部マッサージやレシカルボン座薬など使用
●便秘に対する腹部マッサージ
腹部マッサージの目的
便秘やガス貯留などによる腹部膨満時、腹部マッサージを行うことで腸管へ刺激を与え血液循環を良好にし腸蠕動を亢進させる。
腹部マッサージの手順
① 腹部の緊張を和らげるため膝を立てる。※行う人は手は温める。
② 大腸の蠕動運動の方向に沿って「の」の字を描くように時計回りで手のひらで1~2cm程度沈むくらいの力加減で押さえながら10回行う。
③ 左の腰骨の出っ張りから、やや内側を手掌(親指の根元)でゆっくり10回押します。(両手を合わせてマッサージを実施)
④ 手順の②と③を交互に3回実施します。(30回を1セットとします。)
腹部マッサージの注意点
① 食直後の腹部マッサージは避ける。
② 入浴直後の腹部マッサージは避ける。
腹部マッサージの禁忌
① 腹部の急性・慢性疾患
② 腹腔内の手術や照射療法の後
③ 大動脈瘤
④ 腸閉塞の既往
⑤ 骨盤静脈血栓症の既往
⑥ てんかん
⑦ 原因不明の痛みを感じる場合
●便秘で必要な情報
既往歴
大腸癌やシャント術:定期的に便を出す必要があり。
イレウス(腸閉塞):下剤で予防ではなく、自然排便を促す。
服用している薬
薬の副作用によって便秘を起こしていないかを確認。
下剤服用から自然排便への取り組みを併用
・水分摂取量を増やす。
・自然食品や繊維食を管理栄養士と相談して提供する。
・機能訓練指導員と相談して腹部マッサージを実施。
・散歩やレクリエーションなどに参加し運動量を増やす。
下剤服用の期間を少しずつ伸ばす
・記録シートで排便周期を確認します(下剤投与の頻度と排便の状況)。
・下剤投与しなかった4日目の状態を現場職員全員が把握。
・①食欲不振、②気分不快、③頭痛・頭重、④吐き気、⑤腹部の膨満感や腹痛などの症状がないか確認する。
冷たいトイレには注意
血圧は季節によっても変動しやすく、寒い時期には血圧が高くなりやすいためトイレでの危険も増します。暖かい部屋から寒いトイレに行くと、血管が収縮し血圧上昇。さらに冷たい便器に腰を下ろすと、血圧はさらに急上昇してしまいます。トイレでの危険を防ぐため、小型ヒーターや便器カバーなどを取り入れて暖かいトイレにしておくとよい。