【介護】介護予防のための生活機能評価
●介護予防の重要性
「介護予防」とは、介護保険受給にならないように予防したり、介護保険受給者の要介護度の悪化を予防すること、そして「生活機能」のうち特に活動・参加の低下を予防すること。実際的には、生活習慣病予防(脳卒中や糖尿病など)を必要がある。介護予防のための「生活機能評価」は、現行の特定健診(健康づくり)、疾病の早期発見、早期治療を中心とした取組などが必要となる。
●生活機能チェック
問診
①自覚症状・既往歴
自覚症状:自覚症状の有無を確認し、自覚症状あるいは主訴のある場合には 現病歴を聴取。
既往歴:「生活機能評価」は 65 歳以上の高齢者を対象とするが、既往歴については高血圧、 脳卒中、狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症、関節症、うつなどについて可能な限り詳しく聴取する。また、服薬状況や入院歴についても聴き取る。
②身体計測
身体計測は低栄養の判定のために用いられる。身長および体重を測定し、BMI を算出する。BMI18.5 未満の者および「6ヶ月間で2~3kg 以上の体重減少」のある者については、血清アルブミンとともに「低栄養」の判定を行う指標。
③理学的検査
生活機能、特に心身機能に関する検査を行う。 起立動作、着席動作、歩行状態などの身体の動きや体格、皮膚色、浮腫の有無、顔貌や表情、動作などを観察する。
④血圧測定
血圧の測定は原則として 2回行うことが望ましいと言われている。特に初回測定で血圧高値(例えば 140/90mmHg 以上)の場合には少なくとも 2 回の測定が望まれる。血圧高値の場合、家庭血圧の測定を必要に応じて勧める。高血圧症と判断された方は、かかりつけ医での治療(薬の服薬等)を聴取し、また要治療の高血圧を放置している者に医療機関への受診を進めるなどの対応を行う。
●生活機能評価
①運動器の機能向上
握力、開眼片足立時間、歩行速度
②栄養改善
BMIが18.5未満
血清アルブミン値3.8g/dl以下
③口腔機能の向上
視診により口腔内の衛生状態に問題を確認
反復唾液嚥下テストが3回未満
④閉じこもり予防・支援
⑤認知症予防・支援
⑥うつ予防・支援
※ 基本チェックリストのwebサイト
tyekkurisutomanyuaru.pdf (iwaki.lg.jp)
●基本チェックリストの一覧
- バスや電車で、一人で外出していますか
- 日用品の買い物をしていますか
- 預貯金の出し入れをしていますか
- 友人の家を訪ねていますか
- 家族や友人の相談にのっていますか
- 階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか
- 椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか
- 15分位続けて歩いていますか
- この1年間に転んだことがありますか
- 転倒に対する不安は大きいですか
- 6ヶ月間で2kgから3kg以上の体重減少がありましたか
- 身長(cm)と体重(kg)およびBMI(注)
- 半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか
- お茶や汁物等でむせることがありますか
- 口の渇きが気になりますか
- 週に1回以上は外出していますか
- 昨年と比べて外出の回数が減っていますか
- 周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあると言われますか
- 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか
- 今日が何月何日かわからない時がありますか
- (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない
- (ここ2週間)これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
- (ここ2週間)以前は楽にできていたことが今はおっくうに感じられる
- (ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない
- (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
- 1~5の項目:日常生活関連動作について
- 6~10の項目:運動器の機能について
- 11.12の項目:低栄養状態かどうか
- 13~15の項目:口腔機能について
- 16.17の項目:閉じこもりについて
- 18~20の項目:認知症について
- 21~25の項目:うつについて
※21~25の項目に関しては「一時的なもの」ではなく、「ここ2週間継続して感じている」かどうか。