傾眠
“傾眠傾向”とは軽度の意識障害の1つ。
声掛けや肩を軽く叩くなどの弱い刺激で意識を取り戻すことができる状態。
意識障害には意識清明・傾眠・混迷・昏睡の4段階があります。
●意識障害の段階
①意識清明(正常)
意識がはっきりしていて、状況判断や意思疎通が問題なくできる。
②傾眠
うとうとと浅く眠っている状態。
軽い刺激で意識を取り戻し、呼びかけにも反応できるが、放置しているとまた眠ってしまう。
③昏迷
強い刺激(声掛けや強めの痛みなど)を与えないと意識を戻さない状態。
手で払ったり声を出したりなど物理的な刺激による反応・行動が見られる。
④昏睡
外部刺激を与えても覚醒せず、刺激に対しての反応などをする素振りも現れない状態。
脊髄反射と排泄行為は見られる。
傾眠傾向の症状の中には、外部からの刺激で覚醒した後も「注意力が欠ける」「無気力」などの状態が続いたり、自分居場所や日付などが言えない状況になってしまう。
傾眠が寝しているように見えてしまうためにそのままにしてしまうと、食事や水分をとる機会が減り脱水症状や栄養・運動不足などを引き起こす可能性が高くなってしまうため注意が必要である。
●傾眠の原因になるもの
●認知症
認知症の影響で昼夜逆転が起こり、睡眠不足や精神的な不安定、無気力になってしまうことがある。その影響により、日中の傾眠を引き起こしてしまう可能性がある。
●慢性硬膜下血腫
脳への圧迫が大きくなると傾眠傾向が見られる場合がある。
●内科的疾患
代謝に関わる肝臓や腎臓の異常などが原因で高熱が出て、意識朦朧とした状態になると、傾眠傾向に陥る場合がある。
内臓の状態がよくなる、熱が下がるとことなど症状がよくなれば傾眠傾向も回復するのが特徴。
●脱水
脱水状態になることで、意識レベルを低下につながり傾眠の原因になる。
症状が進むと幻覚症状(幻視や幻聴)などを引き起こす場合もある。
●薬の副作用
“抗てんかん薬”は、脳の興奮を抑える薬であるがそれが副作用となり傾眠傾向に陥る場合がある。
“認知症の薬”の中にも、副作用で軽い傾眠傾向が出るものも。
“花粉症の薬”は「抗ヒスタミン」という傾眠傾向を引き起こしやすい成分が含まれる。
●傾眠への対処
●刺激を入れる(話しかける、散歩など)
外部から刺激を入れてみる。
反応があるならば、積極的にコミュニケーションを取るようにし、継続して刺激を入れる。
また、話すだけでは刺激が弱いため、散歩に行くなど様々な刺激を入れることで覚醒度を上げる。
刺激を入れることは昼夜逆転を防ぐことにも繋がる。また、体を動かすことができれば身体機能の維持・向上にも繋げることもできる。
●薬量を調整
医師に相談して服薬量を調整を行うことも1つの手。
薬に含まれている成分や副作用を把握することで傾眠の原因を突き止めるヒントになる。
●昼寝
昼夜逆転している方には影響が出てしまいますが、15分から30分程度の昼寝をすることで日中の眠気を抑える効果もある。
●相談する
主治医に相談する。
早めの対応することで病気の発見にもつながる。また、病気が原因ではなくても、傾眠による脱水症状や栄養不足の可能性もあるため相談する良い。
参考資料
https://www.irs.jp/article/?p=301
file:///C:/Users/Owner/AppData/Local/Packages/Microsoft.MicrosoftEdge_8wekyb3d8bbwe/TempState/Downloads/fukai%20(1).pdf
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