【文献に独り言】片麻痺患者の横断歩道における歩行スピード
【文献】片麻痺患者の横断歩道における歩行スピード
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/17/5/17_KJ00001306201/_pdf
●文献抜粋①
脳卒中後片麻痺患者の屋外歩行は、患者のQOLの拡大には重要な問題。
そのため、歩行の安定姓・耐久力・歩行スピードなどが重要な評価基準となる。
実用レベルは10mを10秒(歩行速度 1m/s)。安全で平坦な平面上での歩行スピードであり、実際に屋外でもその能力が発揮されるか・・・。
《独り言》
私が病院勤務の時にPTさんからよく聞いたのは、片側二車線の横断歩道ならTUGで”13秒”以内なら青信号で渡りきれるって言ってました。
実際にどうなんだろうか、病院勤務中に横断歩道の渡る練習をやったなんて聞いたことないし。
ただ、実際にリハビリ室と屋外の環境とでは全然違う。その環境下で一人で横断歩道を渡れる能力がある人はどのくらいいるだろうか。
●文献抜粋②
調査項目は、①横断歩道での歩行スピード、②横断歩道と同距離の訓練室での歩行スピード、③10m 歩行スピード、④反応時間、⑤現在の屋外歩行の状況
《独り言》
1990年の文献だから31年前になる。この時代はTUGはあまり使わなかった?
横断歩道を渡るというテーマだから10m歩行でいいのかなぁ、今同じテーマで文献を書くならTUG使うのかな。
●文献抜粋③
利用した横断歩道は、対面二車線道路にある押しボタン式信号機付きのもので、長さ13,55 m、点灯時間15秒、点滅時闇4秒。
《独り言》
その場所によるけど、信号の点灯時間・点滅時間を含めて19秒。信号ってもっと長く付いてるイメージあるけど結構短いんだ。片麻痺じゃなくても歩くのが遅いおじいちゃんおばあちゃんなら歩き切ることができないことも難しいかも。
●文献抜粋④
安全な点灯時間以内に横断するには、訓練室で 10mを10秒(歩行速度 1m/s)以下の歩行スピードが必要。熊本市における横断歩道の状況は、繁華街・市中心部は26mを54 秒から48秒で比較的余裕。その周辺部の横断歩道は21mを20秒〜25秒と厳しい条件。県警交通課の話では、最低でも毎秒lmの速度に合わせて設定してあるとのこと。
《独り言》
訓練室という安全を確保できる環境下で10ⅿを10秒以下で歩くことは確かに必須かも。それでも屋外になるといろんな問題(天気、路面状況、交通量などなど)があるから、あくまでも指標になる感じ?
うちの施設周辺は長い横断歩道は無いから、10ⅿ歩行でもいいのかも。中心部だと横断歩道が26ⅿもあるって長い。25ⅿプールよりも長いやん。
どの県でも信号機の時間って毎秒1ⅿの速度で計算してるのかなぁ。
●文献抜粋⑤
実用歩行スピードは、その基準を何におくかで異なってくる。少なくとも横断歩道を安全に横断するには10m を 10秒という値では厳しい。また訓練室内の単純な値だけでは判断できない。
《独り言》
やっぱり10ⅿを10秒(歩行速度 1m/s)という値で考えるのはあくまでも指標であり、その方の歩行能力や体力も考慮しなければならないですね。そして、横断歩道を渡らなければならない環境下に住んでいる利用者さんや患者さんがいる場合、どうリハビリ職員としてアプローチしていくのか・・・。私の場合はケアマネさんとご家族との話になるなぁ。
この文献は1990年のだけど、2017年の日本転倒予防学会誌の文献でも、本研究でも歩行速度 1m/s を基準にして歩行能力を評価しているようだから、30年近く前の文献でも、“歩行速度 1m/s”というのは1つの基準になるってことか。