OT【作業療法】のブログ~医療・介護福祉・リハビリ~

2008年から作業療法士をしています。医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

【感染症】【介護】蜂窩織炎~ほうかしきえん、と読みます~

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

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蜂窩織炎とは

蜂窩織炎とは、皮膚の深層から皮下の脂肪組織にかけて細胞が感染し炎症を起こしている状態
蜂窩織炎は比較的病院ではよく聞く病気で、50~500人に1人みられると言われています。
細菌に感染したら、感染範囲が腫れて赤くなり痛みがでます
炎症の範囲が広い場合には発熱も見られます。治療は抗菌薬の内服や点滴が主な治療となります。

 

原因

<皮膚の構造>

皮膚は外側から表皮、真皮、その下の皮下組織で構成され、表皮はさらに角層、顆粒層、有棘層、基底層から構成。

<皮膚の役割>

皮膚は体温調節や感覚器官などの役割があり、その中でも重要なのが「皮膚バリア機能」。皮膚バリア機能は、角層の水分の蒸散を防ぎ、外界からの異物(アレルゲン・細菌など)の侵入を防御する役割があります。

しかしこの強力な皮膚のバリアが破られてしまうことで、細菌が侵入して感染が起こります。

<皮膚バリア機能が破られてしまう理由>
①虫刺されや擦り傷などで皮膚に傷がつく
②アトピー性皮膚炎や湿疹のために皮膚バリア機能が弱る
③伝染性膿痂疹(とびひ)や水虫(白癬)のために細菌が増殖、かつバリア機能が弱る

その他の原因として、手術を受けた方の場合、繰り返し蜂窩織炎にかかることもあります。
また、免疫機能が低下している場合(糖尿病の方など)にも蜂窩織炎にかかりやすくなります。

原因となる細菌

①溶連菌

②黄色ブドウ球菌

の2種類が一般的。どちら菌も生活環境に生息する菌です。

 

症状

蜂窩織炎になった部位は・・・

皮膚に発赤、腫れ、発熱、触ると痛みが出ます。
②比較的、足に発症することが多い。※足以外にも他部位の皮膚にも起こります。
③炎症が広がった場合は、発熱、寒気、関節痛、だるさなどの全身症状を伴うこともあります。

免疫機能が低下した方は、感染が脂肪組織から全身に広がることで、敗血症などに進行することもあります。

<壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)>
蜂窩織炎に似た症状をもつのが壊死性筋膜炎です。
細菌感染ですが、数時間で皮膚症状が変化し急速に拡大します。皮膚色の変化(紫色に変化)や水ぶくれが起こります。治療が遅れると命にかかわり、緊急手術による治療が必要になります。


検査・診断

蜂窩織炎を特定する検査はありません。

血液検査での白血球数の数値変化炎症反応の数値(CRP)が上昇の有無を確認するのも有用だと言われいます。そのため、診察と血液検査の結果を組み合わせて診断を確定します。

壊死性筋膜炎が疑われる場合は、CTやMRIなどの画像検査を行います。

炎症の起こっている範囲を確認することで診断していきます。

 

治療

症状が軽症であれば細菌に対する抗菌薬の内服で治療を進めていく

安静にして冷却するのも有効。※痛みが強い場合は痛み止めを内服。

全身症状があるときや免疫機能が低下が見られる(糖尿病など)場合は重症化しやすいため、入院して点滴治療を行う場合もあります。

治療期間は数日から2週間程度。症状によっては長引くこともあります。

 

 

参考資料

https://medicalnote.jp/
https://www.maruho.co.jp/medical/hirudoid/skin/

 

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