OTのブログ

約11年間ではありますが作業療法士をしています。新たな挑戦としてブログ始めました!! 医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

【呼吸器】誤嚥性肺炎のリスク~どんな肺炎でも怖いものは怖い~

誤嚥性肺炎のリスク

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●誤嚥性肺炎について

成人よりも高齢者がかかる率が高い
脳卒中などの嚥下障害が生じれば当然嚥下性肺炎の危険が高まる
高齢者では、わずかな誤嚥が重篤な肺炎や呼吸器疾患につながりやすい
高齢者が肺炎になると、免疫力が低下するため、なかなか治らない。
体力の消耗も激しく、寝たきりになるきっかけとなる場合もある。
誤嚥性肺炎で死亡する例も多くある。

 

◎誤嚥することで必ずしも肺炎になるわけではない。
肺炎になるには、誤嚥する量や頻度、誤嚥するものの種類によって大きく左右される。全身状態や肺の防御機構、排泄機構との関係されてくると言われいる。
高齢の脳卒中患者さんは全身状態が悪く、生体の防御機構が低下している為、少量の誤嚥がきっかけで肺炎になることが少なくない

 

 

●原因?

誤嚥性肺炎の原因には、食物の誤嚥以外に主に次の二つの機序が考えられている

咽頭や喉頭の粘膜に細菌の巣(コロニー)ができ、細菌を含んだ唾液などの分泌物を絶えず誤嚥していること。

②夜間睡眠中、少量の胃-食道逆流により胃内容物を誤嚥していること。 

②の場合は大量の細菌を含んでいるうえに、酸や消化液は化学的に気道粘膜を損傷するため、そこに栄養分を含んだ食物が入ってくると細菌が急速に繁殖して肺炎が起こる。

一度誤嚥性の肺炎を起こすと、気道粘膜が完全に回復することは難しい。

そして、粘膜の知覚が鈍麻になり、誤嚥しても咳が起こりにくくなり、食物を有効に排泄できないため肺炎の危険性が増大するといった悪循環が起こる。

 

 

●誤嚥性肺炎とは

①誤嚥性気管支炎

<診断基準>
①嚥下反射の低下
②咳反射の低下
③微熱
④頻回の急性気管支炎
⑤誤嚥の証明
⑥病理組織像=肺炎のない気管支炎をあげている。

上記の判断基準に加えて・・・

①発熱は微熱の続くタイプと時々一過性に高熱の出るタイプがある。
②白血球数の上昇は大きいが、CRP上昇は軽度。
③発熱の原因が気管支という証明が難しいことが多く、除外診断になることが多い。
④誤嚥性肺炎と混在して発症している。

 

 

●症状

気道閉塞によるもの

 呼吸困難、低酸素血症、チアノ-ゼ、咳を呈する。

化学的肺炎によるもの

 誤嚥後数時間後に急激に重篤な状態へ陥り、呼吸困難、低酸素血症、喘鳴、肺水腫、ARDS(後天的な呼吸窮迫症候群)を生じる。

細菌性肺炎によるもの

 植物残渣の誤嚥や、不顕性の胃食道逆流による化学的や以遠も混じることがある。咳、痰、発熱、多呼吸、ARDSを示す。

 

 

●リスク管理

誤嚥と誤嚥性肺炎の予防

①姿勢
食事または経管栄養中と注入後の姿勢と安静に注意する。

頸部は軽度前屈するよう介助する。

②食物形態と量
一口量と1回の食事量を一定に保つ。

③正確な技術と注入中の抜去防止(経管栄養の場合)
経口食道注入では、挿入チューブの長さと、入ったかどうかの確認に注意する。

④吸引、体位変換
時間を決めて行う。

 

感染防止

口腔ケア

毎食後歯磨きを行っている患者に対しても、1日1回チェックして完全にきれいにする時間を設ける。

チューブ類の清潔

保管方法を決め、定期的に交換する。

消化器症状出現の予防

 

 

●誤嚥性肺炎への対策

①誤嚥をなくす、減らす

上手に飲み込む:安全な飲み込み方を徹底

安全なものを選ぶ:安全でかつおいしいものを

無理しない:全身状態が低い時に無理しない。咳き込んだ後は十分時間をあける

少量ずつ、疲労の影響を考慮して開始:併用栄養の確保

②細菌の誤嚥・化学的誤嚥(胃液の逆流)を減らす

口腔衛生の励行:食べていない時にも口腔衛生は必ず

逆流の防止:食後の座位、経管栄養注入中・後の座位。逆流防止食品(経管栄養用)の利用     

③肺炎の発症を予防する

喀出能力の向上:吸入、水分補給、去痰薬の適正な併用。体位ドレナージ、呼吸理学療法、咳の練習

全身状態の改善:体力をつける、栄養をつける、原疾患の病状をよくする。必要なら点滴や経管栄養の併用も積極的に。

④肺炎の早期発見と治療

高齢者では典型的な症状がでないことも

軽度の意識低下、易疲労性、CRP、X線にも注意

適切な抗生剤・去痰剤・水分栄養等の投与、まめな食事中断と補助栄養

 

 

参考資料

・長坂誠:摂食・嚥下障害の理学療法 老年医学 Vol45 No10 2007
・藤島一郎・柴本勇:動画でわかる摂食・嚥下リハビリテーション 中山書店 2005

 

 

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