OT【作業療法】のブログ~医療・介護福祉・リハビリ~

2008年から作業療法士をしています。医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

便秘について~出ないんですよ、5日も~【介護】

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年齢、性別関係なく便秘に悩まされる人は多いと思います。

運動や薬などいろんな方法をとって出そうとするけど、なかなか出ない…

ほんと嫌になりますよね💦

 

 

 

1.便ができるまで

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食べ物は口から入って 噛み砕かれ

食道→胃→ 十二指腸→ 小腸→大腸へ

 

 

<便ができる仕組み>

大腸の長さ約1.5メートルほど

小腸の長さ約6メートルほど

 

便は

上状結腸→横状結腸→下状結腸→S状結腸→直腸→肛門

から排出。

 

肛門に近づけば近づくほど水分が吸収され固い便になる。

 

 

<小腸と大腸の役割>

【小腸】

胃や十二指腸で消化された食べ物をさらに分解

栄養分の吸収

 

【大腸】

小腸で吸収されなかった水分を吸収

不要なものを固形の便として肛門から排出

 

 

2.便秘とは何か?

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①食事性便秘

<特徴>

便量が少ない

排便後に残留感がある

排便回数が少ない

繊維の少ない偏った食事や少食

直壁の刺激が起こりにくい。

<改善法>

●食事を規則正しくとる。

●繊維の多い野菜や果物をとる。

 

 

②習慣性(直腸性) 便秘

<特徴>

度重なる便意の抑制

下剤や浣腸の誤用、乱用 (機能性便秘の大部分を占め、女性に多い

直腸の感受性が低下し、糞便が送られても直腸が吸収しにくく、便意が起こりにくい

<改善法>

朝食を十分とる

●朝にトイレタイムの時間的ゆとりを持つように心掛ける。

(忙しさに紛れて便意をこらえないこと)

 

 

③弛緩性便秘

<特徴>

大腸の緊張低下、運動の鈍化(腸内容の通過が遅れ、水分を余計に吸収)。

腹筋力の衰え。(排便時の腹圧がかかりにくい)

老人や無力体質者・長期療養者・出産後の女性に多い

<改善法>

繊維の多い食物をとる。

適度な運動をする。

 

 

④痙攣性便秘

<特徴>

ストレスや自律神経のアンバランス、特に副交感神経の過緊張により起こる。

しばしば下痢と交互に起こる。

結腸に痙攣が起こることで腸狭くなり便の通過が妨げらる。そのため、直腸に入るのに時間がかかる。

<改善法>

●精神面での余裕(ゆとりをもった生活) 。

香辛料・繊維の多い食物は避ける

 

 

3.便秘の予防と治療

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①生活習慣の改善

②食事

③温罨法 (おんあんぼう)

④腹部マッサージ

 

①生活習慣の改善

☆ 排便を習慣づける

☆ 排便を我慢しない

☆ 排便環境を整える(プライバシーの保護・換気に気を付ける)

☆ 水分摂取を心掛ける(1500ml 摂る)

☆ 規則的な生活を行う

☆ ストレスを溜めない

 

②食事

☆ 規則正しい食生活を心掛ける

☆ 朝食を食べる

☆ 朝、冷茶、牛乳などで腸を刺激する

☆ 水分摂取を心掛ける(1500ml摂る)

☆ ココア、粉茶も便秘に効果あり

 

③温罨法

<湿性温罨法>

湿性温罨法はタオルや布にお湯を浸して患部を温めるものから、温湿布、温パップなどを使う。

<乾性温罨法>

湯たんぽ、カイロ、電気毛布、電気あんかなどを使って温めます。

 

 

④腹部マッサージ

①大腸の蠕動運動の方向に沿って「の」の字 を描く。

へその下→右下腹部→へその上→左下腹部の順に時計回り

掌1~2㎝くらい沈む程度の力加減で軽く押すように。

回数はゆっくり10回程度。

 

②左の腸骨からやや内側にあるS状結腸を手の平や親指の根元でゆっくり10回押す

※①②を状態に合わせて1~2セット行う

※お腹を温めるのも効果的