【健康】軟便・下痢
●軟便・下痢
下痢便:便の水分が異常に増え、液状またはそれに近い状態。
軟便:通常より少し軟らかい状態。
下痢・下痢症:下痢便や軟便を繰り返し、腹部不快感や腹痛を伴う状態。
理想的とされる便は、バナナ状の水分量は70%~80%。
80%~90%になると「軟便」、水分量が90%を超えると水様便となり「下痢便」の状態になります。
●軟便・下痢のメカニズム
下痢が起こるのは腸の働きが異常な状態になった時です。
正常な腸では“ぜん動運動”により腸の内容物を肛門側に送ります。内容物が腸を通過する際に、内容物に含まれる水分が体内に吸収され適度な水分を含む便になります。
この時、「ぜん動運動」の異常な運動を起こしたり、水分量の調節機能に障害が起きた時に便中の水分が増加、「下痢便」や「軟便」になるようです。
<軟便になるパターン>
①蠕動運動が過剰な場合
腸の「ぜん動運動」が過剰になると、腸の内容物が急速に通過するため水分の吸収が十分に行われません。そうなると、便の水分が吸収されず液状の糞便となり下痢便や軟便になります。
②水分吸収が不十分な場合
腸から体内への水分吸収が不十分な時や、腸からの水分分泌が増えると、腸の中の水分が異常に多くなり下痢便や軟便になります。
●軟便・下痢の原因
下痢や軟便になったら、まず、その原因が何なのかを探る必要があります。
原因によっては、それに対処することができます。症状が起こる前後の思いあたる原因を思い出してみましょう。
<症状とその原因になりえるもの>
食あたり
・賞味期限のきれた食品を食べた。
・調理から時間の経った料理を食べた。
・生もの・半生食(刺身、生カキ、生野菜、鶏肉、卵、牛肉など)を食べた。
・お弁当やサンドイッチを食べた。
水あたり
・いつもと違う飲み水を飲んだ(旅行先の水道水、硬度の高い飲料水など)
・旅行先で氷の入った飲み物を飲んだ。
消化不良
・脂肪分・糖分の多い食べ物(揚げ物、焼肉、牛乳、ケーキなど)を食べすぎた。
・刺激の強い食べ物・飲み物(コーヒー、炭酸飲料など)を食べた。
・香辛料の多い料理を食べた。
・普段食べない食べ物・飲み物を摂取した。
ストレス
・精神的なストレス(学校・会社に行く前、試験・受験・会議など)
・身体の冷え(冷房のかけすぎ、気温の変化)
その他
・薬(抗生物質など)の服用
・牛乳や乳製品の摂取
・風邪(おなかの風邪)
・過敏性腸症候群(IBS)
・腸自体の炎症や腫瘍(クローン病、潰瘍性大腸炎等)などの器質的な疾患
●軟便・下痢の症状
<症状チェック>
①発熱や血便がないことを確認
下痢便の状態や色を観察、血便など症状を確認。
原因と症状を確認することで、下痢の対処法ではいけないこともあります。
原因がわからない場合は、病院受診を。
②便の状態を観察する
・色は変わらないが、便の形状(液状またはペースト状態)が違う
冷え、ストレス、食あたり、水あたり、消化不良などによる下痢の可能性が高い。
・便に血が混じる
大腸の炎症や潰瘍による疾患の可能性。痔が原因による出血。
感染症(赤痢、O-157など)による重篤な食中毒の疑い。
・便が黒っぽい
食道、胃や十二指腸など上部消化管での出血があると、黒っぽいタール便になります。
胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんの可能性も・・・。
・便に粘液が混じっている
食あたり、水あたり、消化不良・冷え・ストレスによる下痢と考えられます。
粘液の量が多い、粘液便が続く、血液が混じっている場合には受診を。
・便が白い液状
米のとぎ汁状の下痢はコレラ特有の症状。
乳幼児の白色の下痢はロタウイルスによる可能性も。
・吐き気・嘔吐がある
食あたりの場合は、吐き気・嘔吐を伴う症状も。
・熱がある
食中毒による下痢の可能性があります。医療機関で受診してください。
●生活での注意
水分を十分摂る‼
下痢は腸の働きが異常です。腸を安静にしてあげることが重要となります。
腹部を冷やさないように、できるだけ安静に。
激しい下痢や、下痢が長く続くと、体内の水分・電解質・栄養分が失われ、脱水症状や栄養失調を引き起こすことも。状態が悪化すると命の危険も。下痢の時は、十分な水分補給を心がけてください。経口補水液のような体に電解質を吸収しやすい飲料の摂取が良いです。
参考資料
https://www.seirogan.co.jp/fun/stomach/diarrhea01.html