【情報】冬の寒さ・乾燥の影響とその対策
冬は寒くだけでなく乾燥した環境となります。寒さ+乾燥が高齢者の身体にさまざまな影響を及ぼします。
感染症や部屋やお風呂の寒暖差などが体に大きな影響が出ることは想像できます。
具体的に気を付けなければならないことは何か調べました。
●冬の寒さが高齢者に与える影響
12月~2 月にかけて寒い日が続きます。この寒さで影響を受けるのは身体の冷えです。
寒さで体の熱が奪われ体温を下げます。体温が下がると免疫力の低下してしまいます。
加齢により免疫機能は低下していきますが、冬の寒さによりさらに免疫力が低下してしまいます。その結果、冬に流行する感染症(インフルエンザやノロウイルスなど)のリスクが高まります。また、寒さによる体の冷えは血液循環悪くなるため、体が動かしにくくなり、腰や膝の痛み、転倒・転落なども起こってきます。
もう1つ増えるのは、冬場は心筋梗塞や脳卒中などの循環器系の疾患も多くなります。
その原因の1つが“ヒートショック”です。
暖房の効いた部屋から寒いトイレや屋外へ移動する際に血圧の急激な変動が起こり脳や心臓に負担がかかることで循環器系に影響を及ぼします。
ヒートショックの詳細⇓
●冬のリスクと管理のポイント
暖房器具を使う冬は更に空気が“乾燥”します。
<乾燥が原因で起こること>
①インフルエンザなどのウイルスの動きが活発化
②皮膚トラブル
③脱水
また、高齢者に多い入浴中の事故が多くなります。
①感染症
冬に流行する感染症は、季節性インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎・食中毒があります。
<感染症の予防>
高齢者はインフルエンザやノロウイルスに感染すると“重篤化”しやすいです。
特にノロウイルスは、感染力が非常に強く、ワクチンもありません。基本、対症療法になります。
手洗い・消毒
・石けんを使いしっかりと手洗いする。
・カキやアサリなどの二枚貝を食べる時は、しっかり加熱して調理する。
・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を用いて消毒する。
マスクの着用
口腔内が乾燥すると、口腔内の防御機能が低下して感染症になりやすくなります。そのため、マスクを着用することで乾燥を防ぎましょう。
また、ウイルスを他人に移す・感染させないように防ぐ効果もあります。
身体を冷やさない
特に外出時は体が冷やしやすいため・・・
・マフラー
・手袋
・帽子
などを着用して身体を冷やさない工夫をしましょう。また、身体をしめつける衣類は避けた方がよいと言われています。
②脱水
高齢になると、冬場も夏場と同じように脱水に注意が必要です。
乾燥しやすい冬は、体から放出される水分量が増加するため、体内の水分が失われます。さらに、こたつやエアコンなどで湿度が下がるため、脱水症状を起こしやすくなります。
水分をこまめにとる
冬は水分補給の回数が少なくなりがちです。トイレに行きたくないからといってあまり水分を取らない人も多いと思います。
そのため、喉が乾かなくても定期的に水分を取るように心掛ける。また、一気に飲むのではなく、こまめにとるようにする。
室内を加湿する
部屋の湿度は50~60%が適切だと言われています。
加湿器を使用したり、洗濯物を干すことで湿度を上げましょう。扇風機やサーキュレーターを当てることで洗濯物が乾きやすくなり、空気循環も良くなるため、部屋全体を温めることもできます。
③入浴中の事故
脱衣室・浴室などを暖める
冬の温度差による血圧の急激な変化を避けるためにまずは、冬場はトイレ、洗面所なども温度差が狭くなれば体の負担も減らすことが出来ます。例えば、脱衣室に小型の暖房器具を置くなど少しでも温めましょう。
入浴に気を付ける事
・食後すぐや飲酒後、睡眠薬などの服用後の入浴は避ける。
・入浴前後には、水分補給する。
・お風呂の温度は、41度以下(38~40度)に設定する。
・お湯に浸かる時間は短め(10分までを目安)にする。
④皮膚疾患
加齢とともに皮脂分泌が少なくなり、さらに乾燥肌になることで、さまざまな皮膚トラブルを起こしやすくなります。乾燥により、痒みや痒みで皮膚を傷つけたりといったことも度々起こるかと思います。
スキンケア
・熱すぎるお湯に入らない。
・洗浄力の強い石けんで洗わない。
・ナイロンタオルでのゴシゴシ洗いしない。
・入浴後に保湿剤(ワセリンなど)塗ると効果的。
・衣類は肌触りのよいものを選ぶ。
冬は感染症や寒暖差などで体調を崩しやすい時期です。少しでも不調を感じたら、ゆっくり休んだり病院に行くなど体調に気を付けましょう。