【情報】アロマセラピー~好きな匂いはありますか?~
●匂いで安心?
コーヒーのにおい、柑橘系のにおい、ミント・バラの香りなどを嗅いでホッとしたり・安心したり・リラックスできたりしませか。これは脳が何らかの反応をしていると分かります。
アロマセラピー(aromatherapy)は、「におい」を利用します。植物の芳香成分を抽出した精油(エッセンシャルオイル)を用いて、心身の健康を維持・増進したり、病気の治療や症状を和らげると言われている療法です。日本語では「芳香療法」とも呼ばれているようです。
●誤解されているアロマセラピー
日本ではアロマセラピーというと、エステサロンなどリラクゼーションの一つだと思われがち!?
フランスなどは、漢方のように補完・代替する医療として認められているようです。
アロマセラピーには、外国でメディカル的アロマセラピーとエステ的アロマセラピーの2つあるとのこと。
日本へは1980年代にイギリスから入ってきました。イギリスから入ってきたものはエステ的アロマセラピーであり、“日本では美容”と誤解されやすいようです。
●匂いを感知する仕組み
人間はどう匂いを感知しているのか!?
①大気中の「におい分子」が鼻孔から吸い込まれる。
②鼻腔内にある嗅上皮の粘液層に付着。
③におい分子は粘液に溶け込み、嗅細胞の嗅覚受容体に結合。
④嗅神経が刺激されて電気信号を発生。
⑤その電気信号が脳の嗅球へ伝わり、脳の神経細胞が「におい」として感知。
においを感知するのは脳中枢である大脳辺縁系(感情や情動行動をコントロール)や、視床下部(自律神経系や内分泌系をコントロール)などの神経があります。
五感(嗅覚、視覚、聴覚、触覚、味覚)のうち嗅覚からの情報だけが脳中枢に直接伝わり、視覚や聴覚、触覚、味覚の情報は脳の他の部分を経由して伝わります。においの嗅覚情報は、他の感覚情報よりも早く強い刺激として脳に伝わり、心身に働きかける作用があるのです。
●アロマセラピーは他を補う医療
アロマセラピーが医療分野で注目されており、現代西洋医学では治療や予防が難しい疾患や症状に効果があると思われるからです。
アロマセラピーでは病巣を切除するなどのアプローチは不可能ですが、手術後の痛みや不快感を和らげることは可能です。アロマセラピーでは“においの情報”が脳に直接伝達されるため、脳が原因となる疾患や体の不調を改善できます。日本でも1990年代末から、研究が進めれられアロマセラピーのエビデンスが得られてきました。
参考資料