OT【作業療法】のブログ~医療・介護福祉・リハビリ~

2008年から作業療法士をしています。医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

【介護】老衰とは

【介護】老衰とは

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●老衰とは?

老衰とは、加齢に伴うさまざまな身体機能の衰弱・低下によりなること

年齢を重ねていくことで、身体の細胞は徐々に細胞分裂による再生能力が低下してきます。同時に代謝機能の低下することで異常なタンパク質が作られるようになり、それにより臓器や筋肉の働きも異常や衰弱していきます

また、老化した細胞から分泌される特殊な免疫物質が周囲の細胞に働きかけてしまい、周りの細胞の老化が促進され、全身の細胞や臓器が炎症を起こしている状態になってしまうようです。

これにより、日常生活自体が困難になり、食事を摂っても臓器が栄養を吸収しづらく、全身の機能が衰弱していきます。その結果、生命活動を維持することができなくなるのです。

臓器だけでなく感覚や脳機能なども低下していくため、老衰死に向かう中で大きな苦痛を感じることは少ないとも言われているようです。

 

●老衰死は何歳から?

近年の日本人の死因統計を見ると悪性新生物(腫瘍)、心疾患(高血圧性を除く)、肺炎などに続いて日本人の死因に「老衰」も入っており、「老衰死」は増えてきているようです。

一般に死因として何歳以上の方が亡くなった場合に老衰死として認められるのかについては、医師によっても意見は分かれているようです。

医師を対象にした調査によると、90歳以上を老衰とするという回答がもっとも多くなっているという結果もあるようです。

 

●老衰死の前兆

老衰の兆候が表れやすいものとして、握力の低下、歩行速度の低下、転倒が多くなるなどの筋力低下が上げられます。

これと同時に、呼吸器や循環器の機能低下も起こってきます。食事を摂っていたとしても内臓そのものの機能が低下することで体に栄養が吸収されにくくなり、体重減少が見られることもあります。

さらに老衰が進むことで、普通食を自力で摂ることが難しくなることで、飲み込みやすい高栄養の介護食で栄養を取ることも必要になってきます。

脳機能低下により意識レベルが低下し意識を保つことが難しくなってしまうこともあります。その結果、一日中睡眠状態で過ごすということも増えてきます。

このように、食事量が減る・体重減少・一日寝て過ごすなどの状態が続くと、近く老衰死を迎えるのではないかと心づもりをしとく必要があるかもしません。胃瘻などの延命治療をしない場合、食事を摂れなくなってから一週間以内に亡くなることが多いようです。

 

●老衰死と本人・家族

老衰による死は病気・事故によるものと比べ、苦痛が少ないと考えられています。

しかし、ご家族が最期を看取るにあたり、延命治療をするのか判断が難しいと思います。

現在の終末期医療の現場においては本人の「QOL=生活の質」を優先することが多くなってきています。

延命治療はその担当医師や家族の気持ち、そしてその本人が穏やかに過ごせるように、さまざまなことに考慮していく必要があります。

そのためには日頃から家族間での延命治療について話し合っておく必要があるでしょう。また、可能であれば延命治療についての自分自身の意志を残しておくことも必要になるかもしれません。

死についての考え方は人それぞれあるかと思いますが、やはり自分がどう最後を迎えたいのかを考えておくことが必要なのかもしれませんね。