回想法
回想法ってしっかりやったことありますか??
話の流れで昔の話や音楽、懐かしい物品などを見せたり話したり流したり・・
それはよくするのですが、回想法を1つのレクリエーションとして、心理療法としてなどグルーピングから内容の構成、段取りなどを決めてやったことはありません。
1度どのように行うのか調べてみました。
●回想法とは
回想法とは・・・
昔の写真や音楽、昔使っていた家庭用品などを見たり、触れたりすることで、昔の経験や思い出を語り合う心理療法。
1960年代にアメリカの精神科医のロバート・バトラー氏が提唱。認知症の方へのアプロ―チとして注目されました。
思い出は、その人の今まで歩まれてきた人生そのものであり、昔を懐かしんで話をされている時は、自然と穏やかな表情になると思います。
楽しかったこと、辛かったこと、家族や友人との話、生き抜いてきた社会的背景など、人それぞれ過ごしてきた時間は異なります。今までの自分の人生を振り返りことで、現在の自分も肯定的に受け入れやすくなることもあります。
昔の思い出に親しむことは自然なことであり、回想法をすることで現在の自分を認め、人生を豊かにするための手段となります。
●回想法の効果
認知症の1つの症状として記憶障害があります。特に短期記憶障害(最近の記憶を保つこと)は困難なことが多いですが、昔の記憶は保持されていることが多いです。
昔のことを思い出して言葉にしたり、相手の話を聞いて刺激を受けたりすることで脳が活性化し・・・
①活動性・自発性・集中力の向上
②自発語の増加
③認知症の進行の予防
④精神的な安定
⑤共有の話題を楽しむ仲間と過ごすと不安や孤独感が和らぐ
⑥自分の話を聞いてもらえているという満足感も得られる
⑦うつ症状の改善・予防
の効果があると言われています。
実施することでコミュニケーションの促進や、高齢者の方の人生や考え方を知ることで、利用者を知ること・介護をする上での学びの1つにもなります。
●回想法の実践方法
回想法の方法には、①個人回想法と②グループ(10名程度)での回想法とがあります。
①個人での回想法
個人回想法では、方法として
①日常会話からスタートして自由に話をする方法
②決めたテーマについて話す方法 があります。
形式にはこだわらずに昔のドラマを見たり、昔良く聞いていた音楽をかけたりして、その話題で会話をしたりするのもよいのでは。
②グループでの回想法
グループ回想法は、グループ活動に参加可能な対象者10名前後のグループで。10名以上になると収集が困難になるのであまり多すぎない人数で行うと良いです。
<方法>
・スタッフ2名(リーダー、サブリーダー)
※自分の場合は、リーダーのみで行います。手伝ってくれる職員がいないということもありますがw。
一人の方がグループをまとめやすいのもあります。
・事前に対象者の個人情報や生活歴などを調査
※対象者の触れられたくない話題は避ける。
・気軽に話せるテーマを決定(30分~1時間ほど実施)
※テーマは、「子どものころの遊び」や「昔使っていた家電」など
・話題に出たことは守秘義務は守り、対象者のペースに合わせて傾聴
なるべく同じ時間・曜日で継続すると定着しやすくなり、見当識を促すことにもつながります。
●回想法に必要な道具
視覚や聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの五感を刺激して昔のことを想起しやすいもの。
①昔の写真
②音楽、歌
③本、新聞、映像、地図
④おもちゃ、生活用品
⑤着物
⑥季節の花
⑦地域の特産物
⑧季節の行事を想起するもの
⑨香りがするもの
など
100円均一などで、コマなどのおもちゃや将棋なども売ってますので、安く手に入れることもできますし、自宅でいろいろ懐かしいものを探すのもありですね。