お餅が詰まったら!?
お餅の季節ですね~。
うちのデイサービスでは、お餅が出る時は厳戒態勢になります。
吸引器はもちろん用意!
各テーブルに必ず職員が配置され、利用者さんをしっかり見守りします‼
さらに隣接する病院にすぐ搬送できるようにストレッチャーも用意します。
その成果のおかげで、自分がデイサービスで働いてきた3年間はお餅で詰まるということは一度もありません。
しかし、家庭や親せきの家でもし詰まってしまったら!?
吸引器も無ければ、ずっと見守りしているなんてこともできません。
ということで今回はもし詰まってしまったら…
を調べました。
1.お餅はなぜ詰まる!?
<お餅の特性>
①嚙みきりにくい。
②飲み込みにくい。
③ネバネバしている。
本来なら気道に入っても肺炎を起こすなどの症状が出るのですが、お餅は気道自体を塞いでしまうため窒息してしまうのです。
また、咳き込んで出てくるはずの物が、お餅だとネバネバしていることが外に出にくくしてしまう原因なのです。
<人の特性(嚥下)>
高齢者は口の中が乾燥していることが多いです。乾燥しているとお餅がくっつきやすくなってしまうのです。
また、高齢になると嚥下機能が低下、物を咳こんで外に出す力も低下します。
なのでうちのデイでは必ず、お餅を食べる前はお茶を飲んでもらいます。口を蒸らすためですね。
2.もしお餅が詰まったら!?
もしお餅が詰まったら、掃除機で吸うと良く聞きますが…
掃除機で吸うのは危険だと言われています‼
掃除機で吸うことは”衛生的問題””口腔内や肺などを損傷させる危険性”があると言われています。また、誤って餅を押し込んでしまうことも考えられます。
応急処置方法はこの2つ!!
「 腹部突き上げ法(ハイムリック法) 」
「 背部叩打(こうだ)法 」
1.腹部突き上げ法(ハイムリック法)
①立たせる、もしくは座らせる。
②患者の背後にまわり両脇に腕を通し対象者を抱きかかえる。※しっかりと体を密着させてください。
③背後から抱きかかえた状態で、片手でへその位置を確認、もう一方の手は握りこぶしを作り、親指側を上腹部(へそより上、みぞおちより十分に下方)に当てる。
④へその位置を確認した手で握りこぶしを作り、手前上方に向かって素早く突き上げる。
※1歳未満の乳児は内臓を損傷する可能性があるので、腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行ってはいけません。
2.背部叩打法
①横向けに寝かせる。
②手の付け根で、患者の背中(肩甲骨の間)を力強く何度も連続して叩く。
※背部叩打法は、座らせた状態、立たせた状態でも良い。
あくまでもこれは応急処置です。自宅や親せきの家に居る場合はすぐに119番通報しましょう。
意識がない場合は小気道や呼吸の障害で心停止になっていることが多いため、119番通報と並行して、心肺蘇生法を行いましょう。