ベッド上でできること
4月1日。
始まりの月。
最近リハビリの話をしていなかったので、新しく仕事や学校が始まる月くらいリハビリの話をしたいと思います。
介護や看護をしているとベッドで寝たきりの方のために何かできないか?
そう思ったことはありませんか。
自分は療法士として様々な方のリハビリをしてきましたが、ベッド上でのリハビリが一番悩みます。
やはりベッド上ではできることは少ないです。
でもそのベッドという空間で何ができるのか考えてみました。
①体位変換
寝たきりということはベッド上で寝返りもできない人が多いことが考えられます。
ベッドで寝たきりということは、ずっと同じ姿勢でいるということ。
同じ姿勢ずっと過ごすことは本当に苦痛です。
それに一番問題となるのが“褥瘡”です。
同じ部分に圧力がかかり“褥瘡になる”これは介護現場で見たことがあると思います。
背中や大腿部など骨の出っ張った場所にできやすいですよね。
それを防ぐ1つの方法として“体位変換”があります。
“体位変換”をすることによって“除圧”ができます。
“除圧”とは字のごとく、皮膚にかかっている圧力を抜いてあげることです。
体位変換は、除圧だけでなく体に緊張を抜いてあげることにも繋がります。
②ポジショニング
これは以前まとめましたので詳細はこちらから⇓
③清拭(更衣などのADL場面で)
入浴ができないときなど、ベッド上で清拭をすることもあると思います。
清拭自体の方法は介護・看護の方のほうが詳しいと思います。
でここでは、清拭中の体の動かし方のポイントを少し話せたらと思います。
1)関節がどこまで動くか
まずその方の腕や足がどこまで動くかを確認。
これは清拭だけでなく、更衣や移乗でも関わることです。
関節がどこまで動くか分からないのに急に動かしてしまうと“痛み”の原因に。
痛みだけでなく、関節や筋肉を痛める原因にもなってしまいます。
2)関節が動く範囲内で動かしてあげる
その方の関節の動き(可動範囲)がわかったら、その範囲内で体を動かして清拭をします。
例えば、肩を挙げれる範囲内で挙げながら肩や腕回りを拭く。
指が広がる範囲内で広げて指隙間を拭く。
など普段何気なくやっている清拭をその方の関節を意識して行うことが大切です。
関節の動き(可動範囲)を知ることで、ADL上で役立つことはあると思います。
ダメな例として、肩が45度までしか挙がらない人に無理やり服を着させるとか、膝が90度から伸びないのに膝の下にクッションを当てないとか。
そういったADL場面で関節の動きを知っていれば、その方に安心安全に介護をすることができます。
ベッド上でできることは少ないかもしれないですが、その方の状態を知る。
それだけでも介護看護をする上でよいきっかけになると思います。
その方の病気や皮膚状況(褥瘡など)だけでなく、目だけでは判断できない関節の範囲やバイタルサイン(血圧や熱など)も情報として入れておくだけでなく、その方を知ることになると思います。
おまけ
利用者さんの趣味や昔やっていた仕事などを把握してその話をするだけでも反応が出せるきっかけになることも多いと思います。
忙しい介護現場、人材不足の現場で介護が流れ作業なってしまっている施設や病院もあるかもしれません。その中で利用者さんの趣味や仕事などを調べたり聞き出すことなんて難しいと思っている人もいるかもしれませんが、仕事が忙しく介護の仕事を辞めようと思っている人こそ利用者さんのことを少し調べてみてはどうでしょうか?
それがきっかけで介護職にもう一度チャレンジしてみようと思うかも!?、しれません。
辞めてしまう前にその方のカルテ(情報収集)を見てみてください。
もしかしたら発見があるかも知れませんよ。
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