OT【作業療法】のブログ~医療・介護福祉・リハビリ~

2008年から作業療法士をしています。医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

【整形】股関節の人工関節置換術を行われた方への注意事項

股関節の人工関節置換術

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医療現場では意外にですよ、多い股関節の人工骨頭の方。

でも介護現場では…。

現在働いているデイサービスにはいませんし、過去3年間で2人しかいなかったと思います。

グループホームや特養で働いているOTで聞くと多いとの事。

そこで自分の学びの復習も兼ねてまとめてみました。

 

 

1.股関節の人工骨頭とは何か?

人工骨頭とは股関節は骨盤側の寛骨臼(かんこつきゅう)に、球形の大腿骨頭(だいたいこっとう)がはまり込む、いわばボール&ソケットの形状をしています。 この大腿骨頭に何らかの障害が発生したときに、金属やセラミック、プラスチックなどでできた人工骨頭が、大腿骨頭の代わりになることができます。 骨が大きくずれていたり骨折が複雑な大腿骨頸部骨折に人工骨頭置換術を行うことにより、早期に体重をかけて歩けるようになります。引用:人工骨頭置換術(Bipolar Hip Arthroplasty:BHA)|関節とは | 人工関節と関節痛の情報サイト 【関節が痛い.com】

 

人工骨頭置換術の手術時間は多くの場合1~2時間程度です。

 

例としては(あくまでも例です)

術後2~3日程度で車椅子移動を、

4~5日程度で歩行練習を始め、

約3週間~1ヵ月で退院

 

入院中に、日常生活動作、特に、入浴、階段昇降、畳での生活、トイレ動作について訓練します。

置換術をすることで股関節の悪い患者さんに多くの恩恵をもたらしますが、長い年月が経過すると緩みが生じ、入替え(再置換)の手術が必要となる場合があります

手術の合併症として、感染、脱臼、血栓症などのリスクもありますので、手術に際しては、専門の医師によく相談されることをおすすめします。

 

 

2.注意するべき日常生活動作

①ベッド上での長座位

②座位・端座位での骨折側前方へのリーチ動作(体を前方に倒す動作

③下方へのリーチ動作(体を下に倒す動作(靴下を履く動作など))

④移乗動作

⑤靴を履く、靴下の着脱

⑥排泄動作

⑦入浴動作

共通点⇒深く股関節を曲げる動作に注意!!

 

 

3.脱臼危険肢位と注意すべき事項

①ベッドや椅子など移動時、腰やお尻の保持が不十分
対応:移動時介助者は体重に負けないように確実に保持し股関節肢位を外転中間位に保つ。

②ベッド上健側臥位時(創処置、清拭時)、患側保持が不十分
対応:外転枕を使用し外転位に保つ。

③端座位時、術側と反対側に状態を捻る。物を取ろうと身体を捻る動作は危険。
対応:患側下肢が身体の左右中心線より内側に入らないよう指導する。

④端座位時、椅子などが低い。トイレ動作時も要注意。
対応:椅子を高くする。トイレ座面の保高をする。

⑤座位での靴下着脱動作、ズボンの着脱
対応:動作手順での指導、リーチャ―・ソックスエイド等の自助具制作

(術前からの)ADL・認知障害の評価

 

床上ADL指導と訓練

人工骨頭(関節)が脱臼しない動作の訓練

訓練室・病棟内でのADL訓練

自助具の作成、環境設定


転倒予防を視野に入れた生活動作範囲の設定も重要である。

住宅生活にむけてのプログラムとして、家屋評価を実施し、退院後の生活について対象者本人と家族を交え十分な相談と検討を行う。

 

転倒について⇩

www.ohashi1212.com

 

 

参考資料

人工骨頭置換術(Bipolar Hip Arthroplasty:BHA)|関節とは | 人工関節と関節痛の情報サイト 【関節が痛い.com】