脳梗塞・脳出血
三大疾病(がん・心疾患・脳卒中)の一つである脳卒中。
誰でも罹るかもしれない疾患です。
1.脳血管障害のいろいろ
1.脳卒中とその他の疾患の倒れたときの違い
①発症機序(回復機序)が脳卒中(出血と梗塞)や頭部外傷などで違う。
②脳卒中で倒れていたら、麻痺側の上下肢が不随意的に動く。
③倒れてすぐに処置できれば経過がよい。
※酸素が脳にいかなくなると神経細胞は死んでしまう。そのため、早急な対応が必要となる。
2.脳卒中の種類と原因
脳出血:急速に流れ急激なときに多い。
⇒活動しているとき(動いているとき)血圧が上昇したとき
脳梗塞:血流が遅いときに多い。
⇒寝ているとき、水分がないとき(寝起き、風呂上がりなど)
クモ膜化出血:血管が急に曲がっているところに出血が多い。
(強い力で血管が押し付けられてしまう)。
3.脳卒中の回復段階
急性期:発症直後~4週間
脳に炎症が起き、脳浮腫が最大になるとき。
⇒症状が重くなるが浮腫が軽減されると症状は改善される。
回復期:4週~3ヶ月
浮腫はなくなり、残存している神経細胞が新しいネットワークが形成
⇒OT,PTがその人に必要な刺激を入れていくかが重要!
これによって回復が促進される。
*発症~3ヶ月(急性期~回復期)のリハビリ・治療が鍵。
⇒脳の新しいネットワークを作ることができるため回復に大きく関わる。
生活期:ADLを改善していく ⇒ しているADLに移行させる。
2.脳出血
50~60歳に多い。
高血圧性脳内出血が多い。
高血圧を持つ人は注意。
動脈硬化で直接の引き金は過労、寒冷への曝露、排便時の力みなど。
3.脳梗塞
高齢者に多い
多血症傾向(血球成分多)の人が多い
血流のゆっくりな流れ、ドロドロとした血の人が多い
早朝の目覚めや夏の飲酒後のスポーツなどで脳梗塞・心筋梗塞のリスク大
原因の多くが動脈硬化症が多い
4.クモ膜下出血(SAH)
50~60歳に多い。
女性に多い。
脳動脈瘤の破裂することによって起こる。
危険因子として高血圧、喫煙、多量の飲酒、家族性などがある。
5.主な症状
運動麻痺
感覚麻痺
高次脳機能障害(失語・失行・失認)など
※施設の利用者は画像情報が得にくく、病巣がわからない場合が多い。
6.リハビリやアプローチ方法
①まず「飲・食・排・動」を確立する
⇒ユニットで暮らしていた方はできれば元のユニットへ。
②生活リハビリ
本人の残存能力を活かして、介護士、ご家族と相談しながら車椅子座位、立位保持、立ち上がり、車椅子自走・歩行・・を実施する。
③福祉用具の適応、住環境調整
④機能訓練
関節可動域訓練、随意性訓練、バランス訓練、基本動作訓練、歩行訓練
ADL訓練、高次脳機能訓練など
*施設入所者の場合は複数の病院や施設を経由して入所に至る場合が多い。
その間に 本人も家族も“あきらめ”てしまっている方が多い。
本人の残存能力の見極めが大切。
*在宅復帰した方はそこからが実生活のスタート。本人や家族の障害受容の第1歩。