【情報】自閉スペクトラム症
●自閉スペクトラム症とは
自閉スペクトラム症とは、“広汎性発達障害”とほぼ同じ概念を指す。
※自閉症やアスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害などを含む概念。
自閉スペクトラム症は・・・
・臨機応変な対人関係が苦手。
・自分の関心・やり方・ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い。
を特徴とする発達障害です。
置かれた環境によっては人間関係に支障をきたすこともあり、自閉スペクトラム症が明らかになることもあります。
自閉スペクトラム症は人口の1~2%存在すると報告されています。
日本の場合の研究ではさらに多く、3~5%程度という報告があり、男性のほうが多いともいわれています。
●自閉スペクトラム症の原因
自閉スペクトラム症は、確実に断定される原因はありません。しかし、先天的な脳の機能異常により引き起こされているということは分かっています。
<これまでの研究から>
・これまでの研究の結果で、遺伝的な要素が発症に関与していることも推定。
・自閉スペクトラム症になりやすい体質を持って産まれているお子さんもいると推定。何がきっかけとなって実際に“自閉スペクトラム症”を呈しているかは不明。
・母胎のウイルス感染症、環境中の化学物質などの関係性を唱える人もいる。
●自閉スペクトラム症の症状
自閉スペクトラム症の特徴
①対人交流とコミュニケーションの質が偏っていること。
②著しく興味が限局すること。
パターン的な行動があることの2つの特徴によって形付けられる症状を呈します。
<苦手なこと>
・対人関係を築くことが苦手。
・人の気持ちを推し量ることが難しく1人でいることを好む傾向にある。
・話し言葉の遅れやおうむ返し、言葉の意味を理解することが難しい。
・言外のニュアンスを察知するのが苦手。
・自分の置かれた環境に対して丁寧すぎる言葉遣いや言葉のチョイスをすることもある。
・非言語コミュニケーション(身振りや手振り、目の動きなど)の意味合いを正確に察知することが苦手。
<興味関心>
・興味の限定も自閉スペクトラム症で見る特徴的な症状。
・特定の物事に対して強い興味をもつ。
・特定の手順を繰り返すことにこだわる。
・手をひらひらさせるなどの常同的な動作を繰り返す。
・興味をもった領域に関しては膨大な知識を持つ。
●検査・診断・治療
症状を詳細に聴取したり行動を観察したりすることによって行われえる。
・上記の特徴(対人交流や興味が限局など)を有していないかどうか。
・幼少期からの状況や成育歴。
・集団生活における様子を含めての情報を集める。
・心理テストなども交えながら診断を行う。
<アプローチ>
・早期の段階でこだわりの強さといった個性を周囲が認識し、社会的な適応がスムーズにいくようにアプローチすることが重要。
・置かれた環境によって大成功する人もいれば、逆に社会の中から孤立してしまい生きづらさを感じてしまう人もいます。
自閉スペクトラム症の特徴を有する人がうまく社会に適応できるようになり、障害として認識されなくてもすむよう、早期発見からの介入を行うことが重要です。