【神経】坐骨神経痛
●坐骨神経痛とは
坐骨神経痛とは、坐骨神経に沿って臀部から脚にかけて生じる痛みの総称。
坐骨神経痛が起こる疾患として、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などがあり、脊椎の何等かの原因で起こることが多い。また、血管性病変、腫瘍、内科系疾患、婦人科系疾患、精神的要素なども坐骨神経痛の原因となることがあります。
坐骨神経痛は原因となる疾患が多いために、治療方法も様々です。
●原因
坐骨神経痛を引き起こす病気
①整形外科疾患
・腰部椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎すべり症
・変性側弯症
・梨状筋症候群 など
②血管性・心疾患
・閉塞性動脈硬化症
・閉塞性血栓血管炎
③腫瘍性病変
・骨盤内腫瘍
・脊髄腫瘍
●症状
・座っている時に痛みが強くなり、歩くと楽になる
※逆に歩くことで痛みが増強することも。また運動とは関係なく、臀部から脹はぎにかけての痛みが生じることもあります。
・腰部脊柱管狭窄症が原因となる坐骨神経痛
※長時間立っている・長い距離を歩くことで痛みが生じる「間欠跛行」という症状もある。この時の痛みは強く、日常生活にも支障が出やすい。
・腰部椎間板ヘルニア
※多く発生する場所として第4腰椎と第5腰椎の間のヘルニアがあります。第5腰椎神経根が圧迫され、脹はぎの外側や足の甲から親指に痛みやしびれが出ます。
※第5腰椎と第1仙椎の間のヘルニアは、脹はぎの裏側から足の裏や小指にかけて痛みやしびれが起こる。
※片方の脚だけが痛くなりやすく、両方とも痛むことは少ないようです。
※痛みは座っているときに強くなることが多く、くしゃみや咳をすると腰から脚にかけて痛みが出ます。
●検査・診断
上記にも述べた通り、坐骨神経痛の原因は整形外科疾患だけでなく、内科や婦人科などの疾患も原因となります。
そのため、問診や身体所見、随伴症状などをしっかりと行った上で必要な検査・診断をしていくことになります。
腰部椎間板ヘルニアの場合は、「下肢伸展挙上テスト」と呼ばれる検査が行います。脚を上げていくテストなんですが、途中で痛みが出て脚が上がらなくなると陽性です。
これ以外にも画像検査(レントゲン写真やCT、MRI、脊髄造影検査など)を行います。動画所見により、脊椎の変形や彎曲、椎間腔、脊髄神経の圧迫状況などを見ていきます。
●治療
基本的には保存的治療となります。
原因により手術を行うこともありますが、保存的療法で状態変化を確認してからの手術の話になることが多いです。
坐骨神経痛は、痛みのある下肢を安静を保つことが優先されます。
服薬としては、消炎鎮痛剤で痛みを和らげたり、筋弛緩薬や血管拡張剤を使用することで筋肉を柔らかくしたり血行を良くしたりといった処方が行われます。
場合によっては、装具や温熱療法、神経ブロック療法が行われます。
参考資料