拘縮という言葉を聞いたことがありますか??
医療福祉分野にいると聞いたことがあるかもしれません。
聞いたことがなくても寝たきりの人の関節が硬くなってる場面はあるかも!?
1.拘縮の原因
①不動
⇒動かない、他人の力によって動かされない事。
②異常筋緊張
⇒本来なら随意的にコントロールが可能である筋緊張が無意識下で硬くなったり柔
らかくなったり、随意的にコントロールができない状態。
2.分類
「不動」による
・麻痺をして動かすことができない状態
・骨折によるギプス固定をして動かせない状態
・熱傷(やけど)による皮膚の瘢痕化によって動かせない状態
「疾患」による
・変形性関節
・慢性関節リウマチ
・炎症性の疾患が多い疾患
3.なぜ硬くなるのか
①関節内の滑液(潤滑液)量が減少。
②関節の滑りが悪くなる。
③筋肉の弾力性が低下する。
④静脈血の環流が減り、血液循環が低下する。
⑤血液循環が悪いから組織の栄養不足となる。
さらに
⑥血流が悪い為に手や足に浮腫が発生する。
⑦浮腫の組織液が糊の代わりとなり関節周囲が硬くなってしまう。
⑧拘縮完成
高齢者に多い拘縮になる流れ
①寝たきりの姿勢
②痛みの発生
③苦痛(身体的・精神的)
④筋肉の緊張が高まる
4.拘縮の痛み!?
・関節拘縮自体は本来無痛!?
・他動運動時に生じる皮膚や筋などの伸長痛を≠拘縮自体の痛みと思ってしまう。
・「痛み」は筋緊張を高める(筋肉に力が入ってしまう)
⇒さらに拘縮が高まってしまう
・「痛み」を伴わないように動かすのが望ましい
5.可動域制限の種類
①麻痺による可動域制限
⇒自分で関節を動かすことができない。しかし外から運動を促すことはできる。
②固縮による可動域制限
⇒自分で動かせる範囲内で運動はできる。
※固縮:持続的に筋肉に力が入った状態。
③拘縮による可動域制限
⇒自分でも外から運動を促すこともできない。
6.拘縮は治せるのか!?
・物理療法(温熱療法など)
・徒手療法(筋のストレッチングやリラクゼーションなど)
拘縮に対する治療は「痛み」を伴い大きな改善は望みにくい
(発生期間と比べ治療期間は何倍もの期間が必要となる)
⇒「治療」よりも「予防」
7.「治療」よりも「予防」
・寝ている姿勢の時は、ポジショニング(姿勢を正しくする)をしっかり行う。
・同じ姿勢が多くならないようにする(1日の中で何回か姿勢を変える)
(同じ筋肉ばかり力が入ったを防ぐ)
・痛みなど筋肉に力が入らないように関節の動かし方を注意する。
・寝かせきりにせず、よい姿勢で起こす。
8.予防
・まず目標を定める
⇒拘縮によって服が着づらい、オムツが変えにくいからなど
・関節の動く範囲内でいっぱいに動かす。
⇒痛みの出ない範囲で。
・温めてから動かす
⇒伸びやすく痛みも感じにくくなる。
・継続
⇒継続が予防の基本となります。
<実施のコツ>
反動をつけない
⇒防御反応や痛みによって筋肉の収縮が高まってしまう
リラックスした姿勢で行う
⇒無理な姿勢で全身の緊張が高い状態では正確な運動ができない