【情報】食品添加物とは?
●食品添加物とは
食品衛生法では、「『食品添加物』とは食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの」と定義。「天然」、「合成」の区別なく食品添加物として認められている。
※昔使われてきたシソやクチナシなどは、現在は食品添加物の着色料として使用。
●食品添加物の分類
日本では厚生労働省が指定する指定添加物:455品目。
昔から使用されていている既存添加物:365品目
植物や動物などが原料の天然香料:約600品目
食品が添加物として使用されている:約100品目
の1500以上の食品添加物が使用されている。
厚生労働省の食品添加物の指定および使用基準改正に関する基本的な考え
①安全性が要請された使用方法において実証又は確認されること。
②食品添加物の使用が、次のいずれかに該当することが実証又は確認されること。
・食品の栄養価を保持させるもの。
・特定の食事を必要とする消費者のための食品の製造に必要な原料又は成分を供給するもの。
・食品の品質を保持し若しくは安定性を向上するもの又は味覚、視覚等の感覚刺激特性を改善するもの。
・食品の製造、加工、調理、処理、包装、運搬又は貯蔵過程で補助的役割を果たすもの。
●食品添加物を嫌がられる理由
嫌われてしまっている理由は、高度成長期につぎつぎと起こった公害などの影響が大きい。
水俣病、四日市ぜんそくなどの公害のイメージが、化学物質に対する不信感を広げて、食品添加物に対しても嫌悪感をもってしまったのでは・・・。
日本における食品安全の現状
昔から食品の最大の危険は、“食中毒”。
食中毒の減少に非常に大きな役割を果たしたのが、“冷蔵庫”と“保存料”。
昔の加工食品は塩漬けや干物、缶詰くらい。しかし、保存料の登場で、食品の腐敗や変質を長期間にわたって防ぐことができ、そして、保存技術の向上により、レトルト食品や冷凍食品などのさまざまな加工食品が誕生、簡単に安全な食品を手に入れることができるようになりました。
●食品添加物がなかったら?
・食中毒の危険性が高まる。
・食品添加物がないと、ハムやソーセージ、すり身などは、すぐに腐ってしまう。
・ゼリーやプリンなどの食感もなくなる。
・パンやクッキーは上手く膨らまないためパサパサになる。
・練り製品は歯ごたえが低いものになる。
など食の安全が保てなくなるだけでなく、毎日の食生活にも影響が出てきます。
①食品を製造または加工時に必要なもの。
②食品の形や、独特の食感を持たせるために必要なもの(豆腐用凝固剤、膨張剤など)
③色でおいしさを演出するために必要なもの。
④味と香りを良くするために必要なもの。
⑤食品の栄養成分を補うために必要なもの(ビタミン、カルシウム)。
⑥食品の品質を保つために必要なもの。
●無添加・昔からの添加物
「無添加」「保存料不使用」=「健康に良い食品」ではありません。
大昔から使われている食品添加物
昔から人間は、食品を長持ちさせる方法を考え、狩猟採集時代は、肉を天日で干したり煙でいぶして加工していました。また、塩漬けするという方法も、昔から使われていたようです。このような食生活の工夫の中から生まれたのが食品添加物です。
豆腐を固める凝固剤として使われている「にがり」も昔から利用されてきた食品添加物のひとつ。ヨーロッパやインドでよく使われるサフランやターメリックなども食品に香りや彩りを付けるための添加物です。
●多量に摂れば何でも毒
安全は量で決まる
たとえば塩は毒か?と聞かれると摂取しなければならない栄養源の1つです。しかし、この塩も毎日多くも塩を食べ続ければ脳卒中や心臓病のリスクが増えます。
また水も取り過ぎれば毒になります。水が無ければ生きていけないのに摂りすぎれば毒になる。水の摂り過ぎると、“水中毒”という腎臓の排泄処理能力がパンクして、体内の電解質バランスが崩れて、低ナトリウム血症が起きる病気になってしまいます。そのため、どんなものも人間の体で処理できない量を摂ることはすべて毒になってしまうのです。
大量に摂りたくなる心理
最近は、毎日ビタミンやαカロテン・βカロテンを摂ると癌になりにくいとか言いますが、ビタミンの量で癌のなりにくいかどうかは分かっていないようです。
SNSやYouTubeなどで、ビタミンCを摂れば病気にならない病気がすぐ直るとか、添加物が人口削減のためのものだとか様々な情報が飛び交い、その結果、その情報だけを鵜呑みにして自分で調べると言うことを忘れてしまうのです。
野菜や果物には天然の化学物質が含んでいる
ホウレンソウには“亜硝酸”が含まれているそうです。
また、キャベツやセロリ、桃などにも天然の化学物質や発がん性物質が含まれています。
シイタケ・タラ・リンゴ、ナシ類等には、ホルムアルデヒドが含まれており、ホルムアルデヒドは殺菌・防虫・防腐剤として広く利用されているほか、塗料・接着剤にも用いられ、日用品としては皮製製品・衣類・織物等からも放散されています。
<野菜や果物などに化学物質を持つ理由>
・その植物自身の必要性な物質だから。
・微生物から身を守るため。
・昆虫や動物の食害を防ぐため。
・自身の成長のため。
など、様々な化学物質を野菜や果物自身が合成・貯えているようです。
どんな食事をするとしても、結局はその摂り方次第だと思います。
日本に住んでいるからにはどんな形で食品添加物を摂るか分かりませんが、そのすべては悪ではないと思います。
まずは、気になったら徹底的に調べて(ネットだけの情報に捉われない)自分で納得した上でこれからの食事も楽しく美味しいものを食べましょう。