【情報】起立性調節障害
よく聞くようになった起立性調節障害。
自律神経の異常で起こる障害です。
自律障害の異常で起こる障害は沢山ありますが、今回は起立性調節障害を調べました。
●起立性調節障害とは何か
起立性調節障害:自律神経系の異常で循環器系の調節が上手くできない疾患。
自律神経疾患なので身体的要素以外に、精神的、環境的要素も関わって起こると考えられています。
小学校高学年~中学生に多く、この時期は第二次性成長期と重なることもあり、体の機能が大人へと変化します。このとき自律神経系にも起こるため、循環器系の調節がうまくいかなくなることがあります。またストレスをため込みやすいなどの精神的、環境的要素も考えられます。
●起立性調節障害の症状
起立性調節障害の症状は、思春期の健常な子どもでも自覚することがあります。
生活に支障をきたしている場合は疾患として扱い、診察を受ける必要があります。
起立性調節障害の典型的な症状は、「立ちくらみ」「疲れやすい」「長時間立っていられない」などです。朝起きられないことが原因で不登校になる割合も多いことが知られています。
<子どもに起こりやすい起立性調節障害>
起立性調節障害は血液検査、画像検査などを行い他の疾患でないことを確認する必要があります。
他の病気がみつかることも多くあり、命に関わる病気のこともあるため、他の疾患を除外することが重要です。
立性調節障害は現在までに以下の4つのタイプが確認されています。
4タイプの症状
①起立直後性低血圧
起立直後の血圧低下からの回復に時間がかかるタイプ。
②体位性頻脈症候群
血圧の回復に異常はないが、起立後心拍の回復がなく上昇したままのタイプ。
③神経調節性失神
起立中に急激な血圧低下によっていきなり失神するタイプ。
④遷延性起立性低血圧
起立を続けることにより徐々に血圧が低下して失神に至るタイプ。
この起立性調節障害の中では①②が多く、③④は少ない傾向があるようです。①や②から神経調節性失神をおこすなど、経過中にタイプが変わることもあるようです。
改善ポイント
<症状緩和のためのポイント>
①水分、塩分をしっかり摂る
起立性調節障害の子どもは、血液量が少ないため、循環している血液量を増やすために、水分と塩分を摂ると良いと言われています。目安は、食事以外に水分2ℓと、食事を通して10gの塩分が良いようです。起きられずに朝食を抜くとその分不足してしまうため、意識的に水分・塩分を取るように心掛けましょう。
②日中は寝転がらない
起床後も横になってしまうと自律神経系がその形で体を調節してしまうため、悪循環を生まないように、日中は体を横にならないようにしましょう。なるべく頭の位置を心臓よりも高くし、高い位置に血液を送る環境をつくりましょう。
③ゆっくり立ち、長時間の起立はできるだけ避ける
起立性調節障害だと急に立ち上がると体の調節ができないため、急に立たずにゆっくり立ち上がりましょう。②と同様に長時間同じ姿勢でいると下半身に血液がたまり、頭まで血液が送られるのに時間がかかります。
④ストレスコントロールをする
ストレスで自律神経系は影響を受けやすいのです。更に症状悪化の大きな要因にもなるため、症状がひどく学校に行けないことを非常につらく感じていると思います。その苦痛を理解し、頑張っていることを評価することがとても重要です。
⑤その他
・どの程度か分かりませんが下肢に冷水をかける(血管の収縮・弛緩させる)。温冷療法も良いと言われています。
・朝日を浴びて慨日リズムを正常に戻す(1日の25時間を24時間周期にリセットする)。
⇒朝は交感神経が緊張し、夕方になると交感神経活動が低下して、副交感神経が緊張してくるという日内リズム・慨日リズム。狂ったリズムを正常化するのにする方法として、早朝に太陽の光を浴びること。体内時計周期は一日25時間 になっているが、人間は24時間周期で生きているため、1~2か月間、太陽の光を浴びないとズレが生じてくる。そのズレを元に戻すために朝の強い光を浴びて時間をリセットさせる必要があり、朝日を浴びることで正常な慨日リズムを保つことができる。