IoTと介護
●介護現場でIoTが必要?
介護人材の不足
少子高齢化が進んでいく日本。介護現場では人材不足によりスタッフ1人あたりの業務の負担が増えているのが現状です。
団塊世代が後期高齢者となる「2025年問題」により、さらに深刻していく介護問題。
そのため、IoTの導入により、人材不足を補うものになるのか!?
人材不足は“介護の質”にも関わる
人材不足は結果的に介護現場の介護の質の低下させる可能性がでてきます。
人材不足を補うために採用する人材を雇用側が介護ができる人材なのか・介護能力があるのか(介護経験やコミュニケーション能力など)を選ぶ余裕がない状況です。
人材不足している理由として”人材獲得競争が厳しく採用が困難であるため”との回答が多かったという調査結果もあるようです。
人材不足により就職希望者の介護能力にはあまり期待せず、その場しのぎの人手を確保をすることで。今後さらなる介護の質が低下につながるのではないでしょうか。
介護職員の定着率の伸び悩み
職場環境などの問題から離職するスタッフが多く、入社後3年以内に離職してしまい定着率が非常に高いようです。
<離職理由>
・職員との人間関係
・結婚や出産
・施設の理念や運営方針への不満 など
離職者の勤続年数は「1年未満」が最も多く、次いで「1年以上3年未満」。この2つの割合を足すと、入社後3年未満での離職割合は約6割以上になるようです。
離職者が高くなると、技術や知識を持ったスタッフが育ちにくい環境になってしまい、その結果、介護の質の低下につながってしまいます。
そのため、職場の環境改善やスタッフの業務負担軽減が必要なのです。
●ロボットで見守り業務を効率化?
介護現場でよく使用されている離床センサー。
現在でも様々な種類の検知センサー機能を備えた機器が出てきていますがそれを効率よく導入すれば、夜間の施設巡視など職員の負担の1つである見守り業務を効率化できます(使い手が上手く利用する必要があります)。
見守りロボットによって1つ1つのベッド上の動きを検知することで、誰がベッドから離床しているかをリアルタイムで把握するものもたくさん出てきています。
介護現場では夜勤は少人数での配置になることが多く、夜間対応ができるスタッフが少ないのも問題の1つです。そのため、夜間の見守り業務は負担が大きいものと言えます。
もし見守りロボットを導入しスタッフが上手く使用することができれば、施設利用者の急変いち早く気づくことができるようになり、少ない人員でも対応でき負担を軽減につながるかもしれません。
●排泄タイミングを予測!?
腹部に機器を装着する排泄予測機器というものがあるようです。これを使用することで排泄を行うタイミングを予測していくとの事。
排泄介助は介護側と利用者側の両方に負担が大きいです。
排泄介助だけでなく、衣類やシーツが汚れてしまった場合は、衣類交換もしなくていけないだけでなく、感染症予防のための掃除なども行わなければならないため負担が大きいくなります。
また介助自体にスタッフの経験の差が出る場合があり、介護の質に差が出てしまうこともあります。
そのためにも排泄予測機器を使用することで、排泄のタイミングが分かるようになれば排泄介助を行う頻度を減らすことができるようになるかもしれません。
●センサーで安否確認と環境を可視化?
センサー内蔵のエアコンを導入により、居室の介護者の安否や体調、室内環境を可視化ができるようになるようです。
そのデータはデバイス(パソコンなど)で管理でき、ナースコールと連携も可能なようです。
脈や呼吸などのバイタルサインを察知して、ベッドでの睡眠状況なども判断できたり、体動やベッドからの移動の際にセンサーが察知し、通知する機能によりいち早く居室へ駆けつけることもできます。
また上記にも述べた見守り業務も、センサーで介助者の生活や睡眠リズムを把握することができるようになり、本人に負担がかからないように介助に入れるようにもなるかもしれません。
参考資料
https://www.upr-net.co.jp/case/iot/usecase-16.html
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