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【感染症】麻疹~予防接種した覚えありますか~

麻疹

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麻疹ウイルスの感染力は既存の伝染病の中では最強らしいです。

インフルエンザやノロウイルスとかより感染力強いんですかね!?

中国では流行っている新型のウイルスも怖いですし💦

感受性者であれば、小児から成人でもほぼ100%の確率で感染し麻疹を発症。

ほぼ100%ヤバいやつですけど、あまり聞きませんよね。

日本の発症の好発期は、①乳児期から1歳と②20歳代前半に二峰性のピークがあるという。

 

1.麻疹とは?

麻疹はパラミキソウイルス群モルビリウイルス科のRNAウイルスである麻疹ウイルスの飛沫感染(空気感染)により発症。

感染患者の気道分泌物を介し、麻疹ウイルスが鼻粘膜細胞に接触すると感染が成立する。その後、所属リンパ節に到着し、網内系または初期感染巣でウイルスが増殖した後にウイルス血症を生じる。

血流に乗ったウイルスは、感染成立後約2週間で全身の諸臓器に到着する。
※ここで再増殖し、さまざまな臨床症状を発症する。

急性期には白血球数、特にリンパ球数が著名に減少し、一過性に極度の免疫不全状態に陥る。免疫不全状態は長期におよぶ。

特に1歳以下の乳幼児、成人ではリンパ球数の正常化までに6週間以上を要し、Bリンパ球の減少はさらに長期化されると言われている。

 

 

2.臨床経過

①前駆期

感染後10~14日潜伏期の後
38~39℃台の発熱
鼻汁
強い乾性咳嗽
結膜炎
などのカタル症状で発症する。

 

②発疹期

前駆期後の約3日でいったん解熱していくが、同時に特徴的なコプリック班が両側頬粘膜に認められる。
次いで40℃に達する高熱と共に、発疹が耳介後部から後頸部に出現する。
発疹は出現後3~4日で出現と同様の流れで茶褐色の色素沈着を残し消退する。
発熱は発疹出現後2日間頃がピーク
その後2~3日で徐々に解熱する。
この時期に細菌の二次感染を生じることも多く、以後も発熱が続く場合には注意を要する。

 

 

3.治療

治療は対症療法のみ。
発熱に対し解熱性鎮痛剤を投与。
強固な咳嗽に対しては鎮咳去痰剤を用いる。
経口接種不良から脱水に陥るものも多く、適切な抗菌薬投与も必要となる。

 

●注意‼

重症化すると肺炎、細菌による二次感染がおこる可能性があり死亡することもある。

死亡率は0.1%~0.2%とされ、決して低い数字ではない。

 

●予防するには

麻疹に対する根本的な治療法は存在せず、ワクチンによる予防が第一に優先。
標準的な接種年齢は12~24ヶ月。

現在は麻疹・風疹の混合ワクチン(MRワクチン)を打つことが多い。
近年は麻疹、風疹は成人で流行っており。成人が罹ると重症化しやすい。
特に妊娠初期の妊婦が風疹にかかると赤ちゃんに影響(先天性風しん症候群)が可能性が高いため、成人も予防接種が推奨されている。

 

 

参考資料

北村聖:臨床病態学(第二巻).ヌーベルヒロカワ,2006.
星野直、黒木春郎:検査と技術Vol.29 No.3,2001.
林正健二:解剖生理学(第一版).(株)メディカル出版
奈良勲、鎌倉矩子:内科学(第2版).医学書院,2005.
奈良勲:標準PT・OT 病理学(第2版) .医学書院,2004.

 

 

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