高齢者の四大骨折
高齢者の四大骨折は…
脊椎圧迫骨折
上腕骨頚部骨折
橈骨遠位端骨折
大腿骨頚部骨折の4つが言われています。
ここでは残りの2つ(橈骨遠位端骨折、大腿骨頚部骨折)をまとめたいと思います。
脊椎圧迫骨折、上腕骨頚部骨折についてはこちら⇩
3.橈骨遠位端骨折
橈骨遠位端骨折は年齢を問わず高頻度に見られる骨折の1つである。
転倒などした時に手を着いたときに起こりやすい骨折です。この骨折は着いた手の形によって骨折のタイプが分けられています。
分類:コーレス骨折、スミス骨折、バートン骨折などに
多くは背屈位・回内位で手を着いた時に起こるコーレス骨折が多いです。
症状:手首の痛みや腫れで、変形、運動障害
骨折時に骨の破片によって神経が圧迫されて橈骨神経麻痺や正中神経麻痺を発生する事もあります
診断:レントゲン検査
治療:保存的治療(手術しない方法)が原則ですが、手術することもあります。
保存の場合、3~4週間はギプス固定で経過観察。
手術の場合は経皮的骨接合術(ピンや釘などの器具で骨折部を固定)を行います。又、粉砕骨折の場合は、内固定術(骨をプレートなどで繋ぐ)も行ったりします。
4.大腿骨頚部骨折
転倒して骨折したと聞いた時にこの骨折が頭に出てくることが多いのではないでしょうか!?
足の骨折で一番多いのはこの大腿骨頚部骨折だと思います。
病院や施設で働いていて1度は必ずと言っていいほど出会う骨折だと思います。
大腿骨頚部骨折は関節内骨折(関節中で骨折)と関節外骨折(関節外で骨折)とに分けることができます。
<内側骨折>
内側骨折は外側骨折に比べて骨癒合が良くない(骨がくっつきにくい)と言われています。
理由
①関節内骨折である。
②骨折により骨頭への栄養血管が損傷されることで、血液循環が悪くなる。
ためだと考えられています。
内側骨折は骨折の状態が軽くても、偽関節(骨がくっつかない状態)や大腿骨頭壊死(骨頭が血行障害に陥り壊死してしまう状態)を起こす可能性があるため注意が必要な骨折です。
レントゲンで4つのステージに分類されます。
ステージ1:不全骨折
ステージ2:転位のない完全骨折
ステージ3:軽度な転位を認める完全骨折
ステージ4:高度な転位を認める完全骨折
この分類で内側骨折の治療や予後などの判断をしたりします。
治療:保存的治療と手術とに分かれます。
保存的治療:ステージ1とステージ2が対象となることが多い。欠点は、長期臥床(安静)と免荷(体重をかけない状態)となることです。
手術的治療:骨接合術と人工骨頭置換術とに分けられます。
手術後は出来るだけ早期にリハビリテーションを行います(股関節のストレッチングや筋力強化訓練などを行っていきます)。
<外側骨折>
外側骨折は内側骨折に比べて骨癒合は良好だと言われてます。
理由:①骨折が関節外である。②骨折部での血行が良好であるため。
診断:レントゲン検査
治療:早期離床を目的に骨接合術が行われることが多い。
内側骨折同様に、手術後は出来るだけ早期にリハビリテーションを行います(股関節のストレッチングや筋力強化訓練などを行っていきます)。