高齢者の四大骨折
高齢者の四大骨折とは
背骨の圧迫骨折(脊椎圧迫骨折)
上腕骨頚部骨折
橈骨遠位端骨折
大腿骨頚部骨折
の4つが言われています。
ここでは簡単に2つ(脊椎圧迫骨折、上腕骨頚部(外科頚)骨折)をまとめたいと思います。
1.脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折は最もよく出会う骨折の一つだと思います。
最近では、芸能人の佐野史郎さんも番組中に圧迫骨折になったとか!?
時には、スポーツ外傷や転落によって起こる若者の脊椎圧迫骨折もありますが稀です。
今回は骨粗鬆症によって起こりやすい高齢者の脊椎圧迫骨折についてです。
まず骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは…
骨の強度が低下して(骨がスカスカに)、骨折しやすくなってしまう骨の病気です。
骨粗鬆症になると、軽度な外傷(転倒、尻餅、布団を持ち上げたり、くしゃみなど)により簡単に骨折してしまうこともあります。
女性に多い(70歳以上では2人に1人だと言われている)。
好発部位:胸腰椎移行部(第11、第12胸椎と第1腰椎)。
症状:背部痛や腰痛
※円背変形による歩行障害を来たすことも
診断:レントゲン検査
治療:基本は安静。コルセットで固定。
痛みに対しては薬物療法として非ステロイド系抗炎症剤を処方し、各種の神経ブロック療法も行うこともあるようです。
痛みや骨がくっついてこれば腰背筋のストレッチング・筋トレなども行うように医師から伝えれます。
また、骨折の原因となった骨粗鬆症の治療も並行して行うことが多いです。
2.上腕骨頚部骨折
上腕骨頚部骨折も高齢者の代表的な骨折の一つです。
原因:①骨粗鬆症を基盤とした軽微な外傷で発生する場合(上記の骨折と一緒)と②スポーツ活動や仕事中などに転倒して発生する場合があります。
症状:肩の痛みや脹れ、運動障害(腕が動かせない)
診断:レントゲン検査。骨折には転位(骨のズレのない)ものや転位を認めるものまであります。
治療:保存的治療(手術しない方法)と手術があります。
転位のない症例では三角巾やバストバンドなどで安静固定。
手術は、出来るだけ正確な位置に戻すために内固定術を行うことが多いです。
高齢者の場合、認知症や合併症を認めることが多いため、早期離床を目的に、局所麻酔などで内釘固定が行われることが多いです。内固定術は比較的早期に肩を動かすことができるからだそうです。
整復後は、出来るだけ早期にリハビリテーションを行います。
個々の症例に応じた関節可動域改善訓練や筋力強化訓練などを行っていきます。
以上、脊椎圧迫骨折と上腕骨頚部骨折でした。
簡単な説明なのでもっと詳しく知りたいと要望があれば、詳しいバージョンも記事にしたいと思います。ただすごくマニアックな話になっちゃいますが💦
橈骨遠位端骨折、大腿骨頚部骨折については次回に!!