OT【作業療法】のブログ~医療・介護福祉・リハビリ~

2008年から作業療法士をしています。医療福祉の情報や病気、怪我、体験談なども書いていきたいと思います!! よろしくお願いします。

白内障とは~症状・原因~【介護】

白内障

 

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1.白内障とは

 白内障とは、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気です。

※水晶体:目の中でカメラのレンズのようなはたらきをする組織で、外からの光を集めてピントを合わせる場所。通常は透明な組織ですが、白内障ではレンズが白く濁ってしまうため、集めた光がうまく眼底に届かなくなってしまいます。

 

①発症年齢

白内障は、加齢に伴って発生する場合が最も一般的

早ければ40歳から発症

80歳を超えるとほとんどの人が何等かの白内障の状態にあると言われています。

 

②経過

放置さえしなければ基本的には失明する病気ではありません

一度発症すると薬では治りません

白内障が発生する前に予防をするか、発症した初期に抑制することが出来ますが…

最終的には手術をする以外の方法はありません

※白内障手術は日本国内で一年間に140万件も行われているとても沢山されている手術です。一般の眼科でも広く行われており、入院を必要としない日帰り白内障手術が普及しており、負担は少なくなってきています。

 

③白内障の種類

加齢性白内障:加齢

全身疾患に合併する白内障:アトピー性皮膚炎、糖尿病 など

先天性白内障:風疹 など

外傷性白内障:目のけが など

併発白内障:ぶどう膜炎 など

 

④症状

進行しても基本的に痛みがありません

初期段階ではあまり自覚症状がない場合が多く気が付きにくいです。

初期は視力が落ちる事が多く、メガネやコンタクトレンズを交換しても視力は回復しません。

 

進行すると視界が暗くなったり、白っぽく霞んで見えたり、眩しく感じる場合があります。


※夜間に強い光を見た場合は眩しく見える場合があります。

夜間の街頭の光を見たり対向車のヘッドライトが非常に通常より強い眩しさを感じた場合は、白内障の可能性もあります。

 

視力が低下した事で眼科を受診されて白内障と診断される方も多いようです。
片眼が少し見えにくくても、もう片眼が問題が無ければ生活は出来てしまいます。そのため、日常生活に支障が出ないとなかなか眼科受診に繋がりません。

特に加齢性の白内障は徐々に進行するため気が付いたときには手術以外の方法が選べなくなっている場合が多くあるようです。


ごく初期に発見する事が出来れば薬で進行を抑制したり、手術が必要になっても少し余裕をもって手術日を迎えることが可能です。なるべく負担の少なくなるようにするためには、少しでも気になったら定期的な診察や早めの受診をするとよいです。

 

 

2.白内障の治療方法

 ①初期の場合

視力低下や目のかすみは見られるが日常生活に支障はない場合。

初期段階は、点眼治療ピレノキシン製剤やグルタチオン製剤)が基本です。

あくまで白内障の進行を抑えることが目的の治療です。

 

②仕事や生活に支障が出てきた場合

日常生活に支障がみられる場合には外科的手術が行われます。

 

超音波乳化吸引術

この手術は濁った水晶体を超音波で粉砕して取り除き人工水晶体である眼内レンズを挿入します。

白内障は手術を受ければ視力を回復することができる病気です。しかし、人工の眼内レンズにはピントを調節する機能はないため、手術後もメガネなどによる視力矯正が必要になる場合もあります。

 

<水晶体嚢外摘出術>

 核が固くなっている場合は、水晶体の核を丸ごと取り出す手術もします。

 

 

3.白内障チェック

①最近、周囲が見えにくく困る

②離れた人の顔がよくわからない

③天気の良い日は眩しく感じて困ることが多い

④老眼鏡をかけても字が読みにくい

⑤視力が悪く、悪いほうの目だけでは歩けないと思う

⑥距離感がなくなってきて、階段の上り下りが不安

⑦視界がかすんでしまう

⑧視力が低下してきたので、自動車の運転に不安を感じる時がある

⑨室内では問題ないが、日差しの強い屋外では見にくい

⑩長時間の読書など目が疲れてできない

⑪精密な作業(趣味も)をすると視力が低下してきて続けられない

⑫眼鏡屋さんに行ったら視力が出ないといわれた

⑬距離感が低下しているためか、よく転ぶことがある

⑭老眼鏡をかけても新聞が読めないので、ルーペが必要

⑮両眼の視力の差が大きいと感じる

⑯目がかすんで疲れやすい

⑰視力が回復するなら手術を受けてもいいと思っている

⑲目が見えないので字を読むのが苦痛

⑳テレビの字幕などがみえなくなった

 

まとめ

現代社会で65歳以上でも働かなければならない時代になりました。白内障によってさまざまなトラブルの原因になり、仕事が続けられないできない状況になってしまうことも考えられます。さらに、超高齢者社会になっていることも相まって、白内障は目の病気の中で最もありふれたものの一つとなりました。

そのため、目に少しでも違和感を感じたらすぐにでも眼科受診をお勧めします。早期発見することで治療方法も幅広くなり、自分に合った治療も受けられますし、何より大きな事故やケガに繋がる前に見つけることが自分のためのなる思います。目のかすみや視力が落ちたと感じたら眼科を受診してみてください。