転倒
転倒は怖い。
当たり前なことなんですが、転倒すればケガだけじゃ済まないことも…
転ばないようにするには?
転ばないようにする方法は??
1.転倒したら…
・転倒は約1割の人が骨折などの重篤な怪我を引き起こします。
・転倒、骨折のきっかけの寝たきりは、全寝たきり者の約10%に達する。
・転倒が寝たきりの主の原因になりやすい。
・転倒の危険因子は100以上ある報告されている(これは大きく身体内部の内的因子と、環境などの外的因子にわけられる。
2.転倒後のその後…
・転倒・転倒死は、交通事故死を超えると言われている。
1)転倒が原因で骨折などを起こして急な身体の悪化、寝たきり・要介護をきたす
2)転倒が原因で頭部・顔面を強打することで重篤な脳損傷をきたす
3)転倒により転倒恐怖感を強く抱くようになり、家に閉じこもりがちになって、急速に廃用症候群をきたす
4)もともとの持病が転倒をきっかけになり悪化したり新たな合併症が生まれる
3.転倒・転落・墜落の定義
転倒 :同一面上でバランスを失い倒れて受傷したもの(押され、突き飛ばされ、スリップ、つまずきなど)
転落: 高低差のある場所から地表面または制止位置までのスロープなどに接触しながら転がり落ち受傷したもの
墜落:1ⅿ以下の高所から地表または静止状態まで転落し受傷したもの(転落に起因し墜落したもの、および墜落に起因し転落したものを含む)
飛び降り:飛び込む高所から飛び降りたものまたは列車等の運転中の車両への飛び込んだもの(入水を除く)
4.転倒のリスク要素
<転倒のリスク要素>
◇身体的要素
☞バランス能力低下
☞歩行能力低下
☞筋力低下
☞認知機能低下
☞感覚機能低下
☞疾患(脳卒中、パーキンソン病など)
◇外的要素
☞薬物の使用(鎮静剤・抗うつ剤など)
☞床面(滑りやすい、柔らかい床面など)
☞通路の障害物(コード、ペット(犬猫)、家具など)
☞照明
☞階段・段差
☞履物(サンダル、スリッパ等)
・特に転倒歴の有無の相対危険度は高くなると言われている。
・転倒歴はその人の身体能力の低下の程度を示す指標と捉えることもできる。
・手術の成績に影響を及ぼす身体能力の低下の程度を判定する指標としての有用性なども報告されている。
5.転倒予防
1)転倒は骨折予防
・転倒を予防する大きな目標の1つは転倒による骨折を予防することである。
・転倒から発生する骨折について、代表的な骨折である大腿骨近位部骨折がある。
・転倒から発生する骨折の予防を考えたとき、防御反応の向上や局所的な衝撃吸収といったアプローチを模索することも重要である。
2)高齢者の転倒予防アプローチ
・家屋評価、改修
・精神薬を減らす
・ペースメーカー
・白内障の手術
・積雪での靴の工夫
・足の運動など
・内服処方指導
3)転倒の予防に有効な運動の種類
運動がグループ訓練でも個別プログラムでも転倒予防の効果があるが運動プログラムの内容が重要となる。
<運動の種類>
①歩行・バランス機能訓練
②筋力訓練/抵抗訓練
③3D訓練(太極拳など)
④一般的な身体活動
⑤柔軟
⑥持久力訓練
と分類した場合、現在までの報告をまとめると、
①のバランス訓練と②の筋力訓練など、上記の分類のうち複数の要素を複合したプログラムが有効とされている。
一方で筋力増強訓練単独やバランス運動単独では効果は期待できない。
筋力訓練だけをやっても転倒予防効果が期待できないだけでなく、むしろ筋を痛めたりするなど訴えが増えてしまうも考えられ、その人にあった運動を行うことが必要である。