失行
高次脳機能障害は理解するのも判別するのもすごく難しいものです。
また周囲の理解も得られにくい、そのため周囲の職員や家族だけでも理解してあげれればと思います。
そのためにもまずは基本的な部分を理解できたらと思います。
●分類
<Liepmannの分類>
①肢節運動失行
運動麻痺や失調などによる運動障害(-)
用途に適した協調運動、特に習熟運動を正しく行い得ない状態
刺激-反応系による選択性や意図-自動の理解が認められる
検査:比較的単純な行為
例)ボタンや手袋をはめる動作、物をつまむ動作
②観念運動失行
Liepmannの定義
1)物品を使用しない単純な動作や1つの物品を対象とする運動が、言語命令、模倣、物品使用のいずれでも障害される
2)自然状況下では、障害が認められない
3)意図的な運動ができない状態
例)社会的に意味のある動作:道具なしで意味を表現する動作
社会的習慣動作:さよなら、手招き、チョキ、合掌
パントマイム動作:歯を磨く、お経を読む、釘を打つ、消しゴムで消す
③観念失行
大きく分けて2つの立場
Liepmann:運動企図イメージの障害
検査:社会的習慣動作:さよなら、手招き、チョキ→自動詞的運動
パントマイム動作
歯ブラシ、お茶を飲む→他動詞的運動
☆言語命令と模倣命令で行わせる。同様の動作を自然状況下でも観察する。
●失行症のリハビリ
失行症によって日常生活動作が難しくなるためその動作を反復練習する。
失行症では動作に特異性(特殊な動きになる)がある。
習得する動作(相手の真似や歯磨きなど)を行う環境でひたすら反復練習する。
五感などいろんな体の感覚を使っての変化のある訓練をして適切に動きを理解するリハビリを行う。
ボディイメージが図れるように(体を一つ一つを理解できるように)促しながらリハビリを行う。
簡単ですがこんな感じです。
失行は読んでもらった通り体をうまく動かすことができないことが多いです。特に自分がやりたい動作ができないためイライラしたりして精神的にも落ち込むことが多く殻に閉じこもる人もいます…。
だからこそ、周囲の人が特に家族や職員が理解してあげることが必要なのです。
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